B2B MARKETING REPORT 2025
ベンダー企業は主導権を失った。
「見えない購買プロセス」の衝撃。
MarketOneと6senseによる最新調査が明らかにした、
B2B購買担当者の「独立」と「ダークファネル」の真実。
営業がコンタクトを取る頃には、勝負はすでに決まっている。 現代のB2B購買は、企業の「見えない場所(ダークファネル)」で進行しています。
Source Report
Lighting the Dark Funnel (2025)
購買プロセスの半分以上は「見えない」
平均32週間の購買サイクルのうち、最初の約4.5ヶ月間、ベンダー企業には何も見えません。顧客は独自にリサーチし、候補を絞り込んでいます。
57%: 独自リサーチ期間 (非接触)
初日のリストで勝負は決まっている
驚くべきことに、最終的な勝者の94%は、プロセス開始時の「候補リスト」に既に入っていました。後から営業をかけても逆転はほぼ不可能です。
連絡は「顧客から」やってくる
85%のケースで、購買担当者が自ら連絡してきます。しかも、それはランキング1位の候補。プッシュ型営業の電話は、もはや届きません。
「ダークファネル」で起きていること
購買グループの形成
平均10人以上のステークホルダーが社内で集結。
独自のリサーチ
SNS、レビューサイト、知人からの評判を収集。
評価基準の策定とランク付け
ベンダーに会う前に、自分たちで勝手に順位を決定。
※購買担当者は「早めに会う」ようになったが、それは「AIの実装」や「経済不安」への具体的な回答を求めているだけで、関係構築のためではない。
市場による勝率の違い
英国・アイルランドでは32%が後半で評価を覆しており、グローバル平均よりは「逆転」の余地があるが、依然として3分の2は1位が勝つ。
日本企業への示唆
-
●
日本でも独立したリサーチが加速しており、営業が呼ばれる前に評価が終わっているケースが激増。
-
●
合意形成プロセスが複雑な日本企業こそ、ダークファネル内で配布される「説得資料」が重要になる。
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●
長期的関係性を重視する文化を活かし、購買意図が生まれる「前」からの認知獲得が鍵。
生き残るための「3つの新原則」
存在を「可視化」せよ
顧客が探し始める前に、役に立つコンテンツをダークファネル内に配置しておく。
初日のリストに入れ
「後から営業」は手遅れ。検討開始時の「Top 5」に食い込むためのブランド認知が生命線。
AI時代への即応
顧客はAI実装への不安を抱えている。関係構築ではなく「高度な技術回答」を即座に提供せよ。
2025年のMarketOneと6senseによる調査レポート「Lighting the Dark Funnel」が、B2B業界に衝撃的な事実を明らかにしました。英国とアイルランドのB2B購買プロセスを分析したこの調査は、多くの企業が直面している厳しい現実を浮き彫りにしています。
結論から言えば、ベンダー企業は購買プロセスにおける主導権を完全に失っているのです。
調査が明らかにした「知られざる事実」
1. 購買プロセスの57%は「見えていない」
2025年の調査で最も注目すべきだったのは、購買担当者が購買サイクルの57%を完全に独立して進めているという事実です。一般的な購買サイクルは8ヶ月(32週間)ですが、そのうち約4.5ヶ月間、ベンダー企業には何が起きているのか全く分からない状態なのです。
この期間に何が起きているのでしょうか?
- 購買グループの形成(平均10人以上)
- 独自のリサーチと情報収集
- 要件と評価基準の策定
- 候補リストの作成
- ベンダーのランク付け
- 社内でのコンセンサス構築
そして最も重要なこと、これらすべてがベンダーとの接触前に完了してしまっているのです。
2. 初日の候補リストに入らなければ、勝ち目はほぼない
調査は驚くべき事実を明らかにしました。94%のケースで、最終的な勝者は購買プロセス開始時の候補リストにすでに含まれていたのです。
つまり、購買グループが最初に選んだ4〜5社のリストに入っていなければ、どれだけ優れた営業活動を行っても、勝つことはほぼ不可能だということです。
3. 接触タイミングは早まったが、それは「関係構築」のためではない
2024年と比較して、購買担当者の初回接触タイミングは購買サイクルの67%から57%へと前倒しされました。これは約4週間の前倒しを意味します。
しかし、これを良い兆候だと考えるのは早計です。なぜ早めに接触するのでしょうか?調査によると:
- 58%がAI実装に関する疑問を解消するため
- 62%が経済的不確実性への対応のため
つまり、関係構築や教育を求めているのではなく、具体的な技術的・商業的な質問への回答を得るために早めに接触しているのです。
4. 購買担当者から連絡が来るのを待つしかない
さらに厳しい現実があります。85%のケースで、購買担当者が先に連絡してきます。
あなたの営業チームが1日100件の電話をかけても、そのほとんどは効果がありません。購買担当者は準備ができた時に、しかもランキング1位の候補に最初に連絡するのです。
5. 英国・アイルランド市場の特徴
興味深いことに、英国・アイルランド市場は他地域と比べて独特のパターンを示しています。
グローバル平均との比較:
- 選考段階で1位にランクされた企業の勝率:68%(グローバルは80%)
- つまり、32%が検証段階で選好を変更(グローバルは20%)
これは良い面と悪い面があります。1位でなくても勝てる可能性が比較的高いということですが、それでも3分の2のケースでは1位が勝つのです。
6. 購買サイクルの圧縮と複雑化
2024年から2025年にかけて、以下のような変化が起きています。
- 購買サイクル:10ヶ月 → 8ヶ月(20%短縮)
- 評価するベンダー数:4社 → 5社(25%増加)
- 初回接触:67%時点 → 57%時点(4週間早期化)
つまり、より短い期間で、より多くの競合と戦わなければならなくなったということです。
なぜこのような状況になったのか?
「ダークファネル」の正体
従来のマーケティングファネルでは見えない部分を「ダークファネル」と呼びます。具体的には以下のような情報が見えない状態です。
- どのアカウントで購買グループが形成されているか
- 購買サイクルがいつ始まったか
- ステークホルダーは誰なのか
- 何をリサーチしているのか
- 競合は誰なのか
- 候補リストでの自社の順位
これらすべてが完全に見えない状態で、ベンダー企業は対応を迫られているのです。
日本企業にとっての意味
この調査は英国・アイルランド市場を対象としていますが、日本のB2B企業にも重要な示唆を与えています。
- デジタル化の加速
日本でも購買担当者の独立したリサーチが増加傾向にあります - 複雑な意思決定プロセス
日本企業の合意形成プロセスは元々複雑で、多くのステークホルダーが関与します - 関係性重視の文化
購買意図が生まれる前の段階での関係構築は、日本の長期的関係重視の文化とよく合います - AIと人間のバランス
日本市場では対面での関係構築が重要ですが、効率化のためのAI活用も不可欠です
日本市場での実践的な解決策:toviraの活用
調査レポートで明らかになった課題を日本市場で解決するためには、適切なツールとプラットフォームが必要です。ここでは、B2B企業向けマーケティングプラットフォーム「tovira」が、どのように購買プロセスの各段階をサポートするかをご紹介します。
toviraとは
toviraは、BtoB企業のために匿名の訪問者を企業情報に変換し、AIが熱量を判定して、最適なタイミング・チャネルで自動的にアプローチすることで、質の高い商談を継続的に創出するマーケティングプラットフォームです。
2つの主要機能:
- coreAnalytics(コアアナリティクス):顧客の見える化
- leadGenerator(リードジェネレーター):顧客開拓の自動化
購買意図が生まれる前の段階:見えない顧客を可視化する
課題:購買サイクルに入る前の95%のターゲット企業にアプローチし、認知と信頼を構築する必要があります
toviraの解決策:
1. 匿名の95%を見込み客に変える
- 企業アクセス分析機能:Webサイトにアクセスした匿名の訪問者を企業名に変換します
- 問い合わせをしてくれる5%だけでなく、残り95%の興味ある企業を特定できます
- IPジオロケーション技術により、これまで見えなかったターゲット顧客の動向を可視化します
2. ターゲット企業の理解を深める
- 企業アクセス分類機能:資本金規模別、業種別、都道府県別など、多様な切り口でアクセスデータを視覚化します
- 業種別・企業規模別ヒートマップ:どのコンテンツに関心を持っているかを把握できます
- 検索キーワード・指名検索調査:指名検索比率など、ブランド認知度の重要データを追跡します
3. データに基づくコンテンツ最適化
- パワーポイント形式レポート自動作成:専門知識がなくても直感的に理解できるレポートを生成します
- アクセスパターンから、各業種のニーズに合わせたサイト改善が可能になります
購買グループ形成段階:「今、営業すべき顧客」を見つける
課題:購買グループが形成され始めた瞬間を捉え、独立したリサーチ中に1位のポジションを確立する必要があります
toviraの解決策:
1. 3次元スコアリングで最適なタイミングを特定
- 行動スコア:Webサイトでの閲覧ページ、滞在時間、訪問頻度
- 属性スコア:企業規模、業種、役職などの適合度
- 時系列スコア:アクセスの変化パターンから購買意欲の高まりを検知
「まだ検討していない顧客への無駄なアプローチ」と「検討度が高まった顧客へのアプローチ漏れ」という最大の課題を解決します。
2. 購買グループ全体の可視化
- 企業アクセス分析機能:同じ企業から複数の担当者がアクセスしているパターンを検出します
- どのページを、どの順番で閲覧したかをタイムラインで可視化します
- 購買グループの形成を早期に発見できます
3. 複数のステークホルダーへの対応
- CV動線分析:コンバージョンに至ったユーザーの回遊経路を分析します
- 各ステークホルダーのニーズに合わせたコンテンツ最適化が可能です
検証段階:1位のポジションを獲得・維持する
課題:1位のポジションを維持、または2位・3位から逆転する必要があります
toviraの解決策:
1. AIによる自動シーケンスでマルチチャネルアプローチ
顧客のスコアと行動に応じて、以下のチャネルを自動的に使い分けます:
- 紙DM自動送付:関心の高い企業にパーソナライズされたDMを自動配送
- ABM広告配信:企業単位でのピンポイント広告戦略
- ナーチャリングメール:顧客の関心に合わせた段階的なメール配信
- B2Bインテント広告:あなたのサービスを探している人を集める
- パーソナライズフォーム営業:企業・部署単位でキーマンに直接アプローチ
2. デジタルセールスルームで検証をサポート
- 資料の閲覧をデジタル上で行い、閲覧状況・閲覧人数をモニタリングできます
- 誰が、いつ、どの資料を見ているかをリアルタイムで把握できます
- 購買グループ内での資料共有状況を可視化します
3. 企業・部署データベースで直接アプローチ
- 企業情報だけでなく、部署・キーマン情報まで収録されています
- 意思決定者への直接的なアプローチが可能です
- 複数のステークホルダーへの同時アプローチを実現します
4. 展示会・DM反響観測機能
- オフラインの施策(展示会、紙DM)後の反応を見える化します
- 次のアクションにつなげるためのデータを提供します
toviraの3ステップで商談を増やす
Step 1:匿名アクセスを価値ある企業情報に変える
- 匿名の訪問者を企業名に変換
- ターゲット顧客の動向を可視化
- 営業基盤を強化
Step 2:3次元スコアリングでアプローチすべきリードを選定
- 「今、営業すべき顧客」を自動判定
- 営業チームの負担を軽減
- 勝てる商談にリソースを集中
Step 3:AIによる自動アプローチ
- マルチチャネルを顧客のスコアに応じて自動実行
- 営業担当者は商談というコア業務に集中できます
- 追客はシステムが担当
なぜtoviraが効果的なのか
調査レポートで示された課題に対して、toviraは以下の点で優れています:
- 「見えないもの」を見えるようにする
匿名の95%を企業名に変換し、ダークファネルを可視化します - 購買シグナルに基づく自動化
3次元スコアリングで購買シグナルを検出し、スケジュールではなく顧客の行動に基づいて自動アプローチします - 人間とAIの最適な組み合わせ
ルーティンワークはAIが24時間365日対応し、営業担当者は戦略的な商談に集中できます - マルチチャネルでの統合アプローチ
デジタル(広告、メール)とアナログ(紙DM、FAX)を統合し、日本市場に適した多様なチャネルに対応しています - 日本市場への適応
日本語に完全対応し、紙DMやFAXなど日本特有のチャネルもサポート。電話サポート、定期ミーティング、オンボーディングプログラムなど充実したサポート体制を提供します
検索流入激減時代への対応
toviraは「検索ボリュームが半減している今、顧客開拓には新しいアプローチが必要」という現状認識のもと開発されています。これは調査レポートが示す「購買担当者の57%は独立してリサーチを行う」という実態に完全に合致しています。
検索に頼らず、Webサイトへの訪問データから能動的に顧客を発見し、最適なタイミングでアプローチする——まさに新しい時代の顧客開拓を実現するためのプラットフォームです。
まとめ:変革か、衰退か
2025年の調査が示す結論は明確です。
従来のリード中心、キャンペーン主導のアプローチを続ける企業は、ますます苦戦するでしょう。
購買担当者が主導権を握った世界では、あなたには2つの選択肢しかありません:
- 購買シグナルに基づく新しいアプローチに適応する
- 見えないものを見えるようにする
- 購買担当者の行動に合わせて動く
- 購買意図が生まれる前から関与する
- 従来のやり方を続ける
- インバウンドを待つ
- 候補リストに載ることを祈る
- 決定が下された後に対応する
競合他社はすでに適応を始めています。一貫して勝っている企業は、より大きな予算やより優れた製品を持っているわけではありません。彼らは購買担当者が教えてくれないことを見て、購買プロセス全体を通じて賢明に関与することで、主導権を取り戻した企業なのです。
出典:
MarketOne International & 6sense (2025). "Lighting the Dark Funnel: The UK & Ireland Buyer Journey Revealed - 2025 B2B Buyer Experience Study"
調査対象:英国・アイルランドのB2B購買担当者754名(2025年6〜8月実施)
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