公開日更新日

BtoBマーケティング論考

BtoBマーケティングの今後の展望|AIエージェントで何が変わるか【2028年までの見通し】

BtoBマーケティングの今後を考えるうえで、いちばん大きな変化はAIエージェントの広がりです。2026年は、買い手がAIで候補を洗い出し、比較表を作ってから営業に連絡するようになった年でした。HubSpot Japanの2026年の調査では、BtoBの購買に関わる人の41.6%が、生成AIやAI検索が購買の意思決定に与える影響が増えたと答えています。

この記事は2026年1月に公開した記事を、2026年10月17日時点の調査と論文で書き直したものです。BtoBマーケティングの担当者に向けて、AIエージェントで買い手と売り手の何が変わるのか、2028年までの見通し、来期に取り組むことをまとめました。2026年のBtoBマーケティングの動き全体は「BtoBマーケティングのトレンド2026」で解説しています。

先に結論をまとめておきます。

  • 買い手はすでにAIで候補を洗い出し、比較表を作ってから営業に連絡している。売り手に初めて接触する時点で、複数の候補を挙げている人が63.5%いる
  • Gartnerは、2028年までにBtoBの購買の90%がAIエージェントを介すると予測している。ただし、購入まで任せてよいという買い手は9%で、当面は「調べて比べるのはAI、決めるのは人」という分担が続くと考えられる
  • AIの選び方には偏りがあり、表示の順番やAIのモデルで結果が変わる。売り手にできるのは、正確な情報を比べやすい形で公開しておくこと
  • 売り手側の導入は期待ほど進んでいない。日本でAIエージェントを導入済み・導入中の企業は33%で、活用の課題の1位は設計・評価できる人材の不足
  • 来期は、AIの回答に自社が出るかの点検、足りない情報の公開、1つの仕事での試行の順に進める。試行の前に、データの扱いと権限を情シスと確認する

この記事でわかること

  • AIエージェントと、MAや生成AIのチャットとの違い
  • 買い手のAI利用と、「購買の90%がAIエージェントを介する」という予測の読み方
  • AIに任せる仕事と人が判断する仕事の分け方、情シスと確認すること
  • 2028年までの見通しと、来期90日の進め方

AIエージェントとMAや生成AIのチャットの違い

AIエージェントは目標を渡すと手順を自分で組み立て、検索やCRMなどのツールを使いながら作業を進めるAIです。MA(マーケティングオートメーション)は人が決めたシナリオどおりに動き、生成AIのチャットは質問に1回ずつ答えます。AIエージェントを使うとき、人は目標と任せる範囲を決め、結果を確かめる役に回ります。

MA、生成AIのチャット、AIエージェントの違い MAは決めた手順で動く。人がシナリオと配信条件を決め、MAが条件に合えば決めたとおりに配信する。想定外の動きには対応できない。生成AIのチャットは1回ずつ答える。人が毎回質問を考えて入力し、AIが1回答え、人が答えを読んで次の質問を考える。AIエージェントは任せた範囲を進める。人が目標と任せる範囲を決め、AIが手順を決めてツールを使って進め、人が結果を確かめて任せる範囲を見直す。 MA 決めた手順で動く 人がする シナリオと 配信条件を決める MAがする 条件に合えば 決めたとおり配信 結果 想定外の動きには 対応できない 生成AIの チャット 1回ずつ答える 人がする 毎回、質問を 考えて入力する AIがする 質問に1回 答える 人がする 答えを読んで 次の質問を考える AIエージェント 任せた範囲を進める 人がする 目標と任せる 範囲を決める AIがする 手順を決め、ツール を使って進める 人がする 結果を確かめ、 任せる範囲を見直す
図1 MA、生成AIのチャット、AIエージェントの違い(当社作成)

ただし、「AIエージェント」と名乗る製品のすべてが、自分で手順を決めて動くわけではありません。GartnerはチャットボットやRPA(定型作業の自動化ツール)をAIエージェントと呼び替えて売る「エージェント・ウォッシング」に注意を促しており、数千あるとされるベンダーのうち、本当にエージェントと呼べるのは約130社という見立てです。製品を比べるときは、人の指示なしにどこまで進めるのかを確かめましょう。営業の仕事に絞った説明は「営業AIエージェントとは?」にあります。

変化1:買い手はAIで比べてから営業に来る

国内の調査でわかっていること

HubSpot Japanの調査はIT製品に限らず、BtoB商材の比較や選定、稟議などに関わった1,573人が対象です。AIを使った人に用途を聞くと、候補の洗い出しが50.3%、特徴や違いの整理が47.1%、比較表の作成が39.2%、社内説明用の要約が38.8%でした。社内の5人以上が関わる購買が46.9%あるBtoBでは、AIのまとめが稟議の材料にもなっています。比較検討の前半は売り手から見えないところで、AIを使って進んでいます。ITreviewの調査(IT製品の導入に関わる300人)でも、SaaSの選定で生成AIを使った人は43.0%でした。

買い手はAIの答えをうのみにしていない

ただし、買い手はAIの答えをそのまま信じてはいません。HubSpot Japanの調査で、AIがまとめた情報を信頼できると評価した人は37.8%で、10の情報源のうち最も低い結果でした。AIで得た情報を稟議に使うときも、「自分で事実確認・加筆修正した上で利用した」が48.3%で、「そのまま、またはほぼそのまま利用した」は24.9%です。Gartnerの調査でも、買い手の69%がAIで得た見解を営業担当者に確かめたいと答えています。

最初の候補に入らないと勝ちにくい

確かめてもらうには、まずAIが作る候補リストに入る必要があります。HubSpot Japanの調査では、売り手に初めて接触する時点で、すでに複数の候補を挙げている人が63.5%いました。6senseの2025年の調査では、最終的に選ばれたベンダーは95%の確率で最初の候補リストに入っていました。

売り手は、AIが比べるときに使う情報を、自社のサイトに正確に載せておく必要があります。製品の仕様、料金の考え方、他社との違い、導入事例、セキュリティの対応です。HubSpot Japanの調査でも、信頼できる情報の1位は「価格・追加費用・契約条件が明瞭な情報」(60.6%)でした。情シスの技術評価で聞かれる項目(ISMSやSOC 2などのセキュリティ認証、データの保管場所、権限の管理)も、先に公開しておけば、候補を絞る段階で確かめてもらいやすくなります。AIの回答に自社の情報を正しく載せる方法は「LLMO対策で何が効くのか?」で解説しています。

製造業・産業財の場合

AIの使い方を細かく調べた調査はIT製品が中心で、機械や部品の購買についてのデータはまだ多くありません。それでも、HubSpot Japanの調査はIT製品に限らないBtoB商材の購買が対象です。また、産業財の多国籍企業などでAIとマーケティングを担当する責任者43人に聞いたVesterinenらの研究(2026年)でも、生成AIはすでに施策の実行に使われていました。

産業財で準備しやすいのは、型番、仕様、対応する規格、寸法などを、カタログのPDFだけでなく、Webページの本文や表としても載せることです。AIも人も公開されている情報しか比べられません。まずは「〇〇加工機 比較」「〇〇 対応規格」のように買い手が使いそうな言葉でAIにたずね、自社の製品が出てくるかを確かめます。そのうえで、問い合わせの多い製品から順に仕様をWebページに載せていくと、1人でも手をつけやすくなります。展示会や代理店経由の商談はこれからも残りますが、その前に買い手がAIで下調べをする場面は増えていくと考えられます。代理店に渡す製品情報もWebページと同じ内容にそろえておくと、どこで調べられても説明が食い違いません。

変化2:買い手のAIエージェントが比較と交渉を代わりに行う

「購買の90%がAIエージェントを介する」の読み方

Gartnerは2025年10月、2028年までにBtoBの購買の90%がAIエージェントを介して行われ、15兆ドルを超える支出がAIエージェントのやり取りを通ると予測しました。Forresterも2026年には売り手の5社に1社以上が、見積の交渉で買い手のAIエージェントへの対応を迫られると見ています。

一方で、買い手の意向はもっと慎重です。G2の2026年の調査では、ソフトウェアの購買でAIエージェントを使っている、または使う予定の人は60%を超えましたが、承認した範囲内なら購入まで任せてよいと答えた人は9%でした。Gartner自身も2030年までにBtoBの買い手の75%が、AIより人とのやり取りを優先する営業を好むようになると予測しています。

Gartnerの予測は、購買の途中にAIエージェントが入るという意味で、AIが購入を決めるとまでは言っていません。調べて比べるのはAI、決めるのは人という分担が、当面の姿だと考えられます。

人とAIエージェントの4つのやり取り

売り手と買い手のそれぞれで、人とAIエージェントのどちらが動くかによって、やり取りは次の4つに分けられます。

  • 人と人:営業と担当者が商談や相談をする。これまでの中心
  • 買い手のAIが読む:買い手のAIが売り手のサイトや資料を読んで比べる。2026年に広がった
  • 売り手のAIが接客する:追客のメールやWeb接客を、売り手のAIが担う
  • AI同士:比較や見積の交渉を、エージェント同士が行う。2028年に向けて増えると予測されている
売り手と買い手、人とAIエージェントの4つのやり取り 縦軸は売り手の側が人かAIエージェントか、横軸は買い手の側が人かAIエージェントか。人と人は、営業と担当者が商談や相談をする、これまでの中心。買い手のAIが読むは、買い手のAIが売り手のサイトや資料を読んで比べるもので、2026年に広がった。売り手のAIが接客するは、追客のメールやWeb接客を売り手のAIが担うもので、広がりつつある。AI同士がやり取りするは、比較や見積の交渉をエージェント同士が行うもので、2028年に向けて増えると予測されている。 買い手の側 人が調べる AIエージェントが調べる 売り手は 人が対応 売り手は AIエージェント 人と人 営業と担当者が、 商談や相談をする これまでの中心 買い手のAIが読む 買い手のAIが、売り手の サイトや資料を読んで比べる 2026年に広がった 売り手のAIが接客する 追客のメールやWeb接客を、 売り手のAIが担う 広がりつつある AI同士がやり取りする 比較や見積の交渉を、 エージェント同士が行う 2028年に向けて
図2 売り手と買い手、人とAIエージェントの4つのやり取り(Gartner、Forresterなどの公開情報をもとに当社作成)

AIエージェントがほかのシステムやエージェントとつながるためのオープンなプロトコル(通信の取り決め)も広がっています。AIがデータやツールにつながるためのMCP(Model Context Protocol、Anthropicが公開)と、AIエージェント同士が連携するためのA2A(Agent2Agent、Googleが公開)です。つながる先が増えるほど、権限の与えすぎや、外部の文書に紛れた指示にAIが従ってしまう「プロンプトインジェクション」への備えが必要になります。

論文が示すAIの選び方の偏り

AIエージェントが候補を選ぶようになると、AIが何を基準に選ぶかが問題になります。

Allouahらの研究(2025年、専門家の審査を経る前の論文)では、AIの買い物エージェントに模擬の通販サイトで商品を選ばせました。あるモデルでは、同じ商品を画面の右下から最上段に移すと選ばれる率が約5倍になりました。AIのモデルが新しくなっただけで、ある商品のシェアが45%から77%に変わった例もあります。対象は消費財ですが、AIの選び方が製品の良し悪しだけでは決まらないことを示しています。

BtoBに近い例では、Zhangらの研究(2025年)が、AIにプログラムを書かせると、指定がなくても特定のクラウド事業者のサービスを選ぶ傾向を見つけています。AIエージェント同士に価格交渉をさせたZhuらの研究(2025年、審査前の論文)では、性能の低いエージェントを使った側が不利になり、性能の低いエージェントを使った買い手は約2%高く支払っていました。

AIに有利な書き方を狙っても、モデルが更新されれば結果は変わります。売り手にできるのは、正確な情報を、比べやすい形で公開しておくことです。

変化3:売り手の仕事は「任せる範囲を決めて確かめる」仕事になる

導入は期待ほど進んでいない

PwC Japanの2026年春の調査では、AIエージェントを導入済み、または導入を進めている日本企業は33%で、米国の59%を大きく下回りました。一方で、AIエージェントを使いたい分野に営業・マーケティングを挙げた企業は49%あります。Gartnerは、エージェント型AIのプロジェクトの40%超が、コストの増加や事業価値の不明確さなどから、2027年末までに中止されると予測しています。

つまずく理由は技術より業務の側にあります。パーソルキャリアの2026年の調査で大手企業の部長職以上に聞くと、AIエージェントの活用の課題の1位は「設計・評価できる人材の不足」(45.9%)でした。Vesterinenらの研究でも、生成AIは施策の実行には使われていた一方で、情報の管理や計画への使い方はおおむね体系化されていませんでした。

任せる仕事と、人が判断する仕事

マーケターやインサイドセールスの仕事は手を動かすことから、AIに任せる範囲を決めて結果を確かめることに移っていきます。たとえば次のように分けられます。

仕事 任せ方の目安
問い合わせやリードの一次分類 AIに任せ、人が定期的に抜き取りで確かめる
訪問企業の下調べと、営業への引き継ぎメモ AIに任せ、営業が商談の前に読む
問い合わせや展示会のあとのお礼メール、資料の送付 AIが下書きし、人が承認して送る
日程調整 AIに任せ、予定の変更は人が確かめる
商談化の判断、値引き、見積の提示 人が判断する

最初は「下書きと提案はAI、送信と判断は人」から始めます。試す仕事は、件数が多く、間違えても人が直せる仕事から選びます。人が手直しする割合が下がったことを確かめてから、任せる範囲を広げます。

インサイドセールスや営業には、買い手がAIで作った比較表や要約を確かめる役割も加わります。Gartnerの調査で買い手の69%が営業担当者に確かめたいと答えていたように、AIの答えの誤りを正し、自社に当てはまる条件を説明できる人が頼られます。そのためには、AIが使うデータがつながっている必要があります。Salesforceの2026年の調査では、営業のリーダーの51%が、システムが分断されていることがAIの取り組みを遅らせていると答えました。MAとSFAのデータがつながっていなければ、AIに任せられる範囲も広がりません。

導入前に情シスと確認すること

AIエージェントはメールの送信やCRMの更新など、実際の操作を行います。導入の前に、次の点を情シスと確認しておきましょう。

  • AIに見せるデータの範囲(個人の連絡先まで含めるか、企業単位の情報にとどめるか)
  • 入力したデータがAIの学習に使われないか。使わない設定にできるか
  • データの保管場所(国・地域)と保存期間
  • AIに与える権限(読むだけか、送信や更新までできるか)と、人の承認が必要な操作
  • 誰の指示で、いつ、何に触れたかの記録を残せるか
  • 外部のWebページやメールに紛れた指示への対策(AIの権限を必要な範囲に絞る、送信や更新の前に人が承認するなど)
  • ベンダーが使うAIモデルの提供元と再委託先、自社のAI利用ルールに合うか
  • 誤送信や誤った見積が出たときの責任の分担と、契約上の扱い

2028年までの見通し

調査会社の予測を時期ごとに並べると、次のようになります。

時期 予測されていること 出典
2026年 売り手の5社に1社以上が、見積の交渉で買い手のAIエージェントへの対応を迫られる Forrester
2027年末 エージェント型AIのプロジェクトの40%超が中止される Gartner
2028年 マーケティングの仕事のうちAIで自動化される割合が、2026年の16%から36%に増える(CMOの見込み) Gartner
2028年 AIエージェントの数が営業担当者の10倍になるが、生産性が上がったと答える営業担当者は40%未満 Gartner
2028年 BtoBの購買の90%がAIエージェントを介する Gartner
2030年 BtoBの買い手の75%が、AIより人とのやり取りを優先する営業を好む Gartner

予測は調査会社の見立てで、数字どおりになるとは限りません。それでも、買い手側のAI利用が先に進み、売り手側の準備が追いつくまでのあいだに企業間の差が開く、という方向はそろっています。

来期90日で取り組むこと

時期 やること 確かめる数字
1か月目 担当者を決める。ChatGPTやGeminiに、買い手が使いそうな質問(「〇〇 比較」など)をして、自社が出るか、説明が正しいかを記録する。サイトに仕様、料金の考え方、セキュリティの情報があるかを点検する AIの回答に自社が出た割合、足りない情報の数
2か月目 足りない情報をサイトに公開する。AIに任せる仕事を1つ決め、情シスと確認項目を埋める 公開したページの数、確認が済んだ項目の数
3か月目 1つの仕事でAIエージェントを試す。人が確かめる場面を決めて運用する 処理した件数、人が手直しした割合、減った作業時間

稟議には任せる仕事、人が確かめる場面、確かめる数字、やめる基準(手直しの割合が下がらないなど)の4つを書いておくと、話が通りやすくなります。費用は製品の料金体系と使う量で変わるので、試行の前に月の上限を決めておきましょう。

測り方も見直します。買い手がAIで調べるほど、問い合わせの前の動きは見えにくくなります。AI経由の流入、製品名での検索、サイトを訪れた企業の動きをあわせて見ていきます。GA4などのアクセス解析では、ChatGPTやPerplexityなどのAIサービスからの訪問が参照元として記録されることがあるので、その推移を月ごとに確かめておきましょう。

AIで比べた買い手の動きをつかむ

ITreviewの調査では、AIを使った人の54.3%が、リンク先を開くか検索し直して答えを確かめていました。AIで候補を絞った買い手も、答えを確かめるために売り手のサイトを訪れることがあります。toviraのcoreAnalyticsは、IPアドレスから訪問企業を判定するBtoB向けのアクセス解析ツールで、どの企業がどのページを見たかを追えます(2026年10月時点の機能ページの記載に基づきます)。AIに読まれる比較情報を増やすには、1つの検討テーマを最大20本の記事群として設計するContent Studioが使えます。

AIで比較検討した企業が、サイトのどこを見ているかを知りたい方へ

coreAnalyticsの機能を見る

よくある質問

BtoBマーケティングの今後はどうなりますか?

AIエージェントの広がりで、買い手の調べ方と売り手の仕事の両方が変わります。買い手はすでにAIで候補を洗い出し、比較表を作ってから営業に連絡しています。売り手にはAIに読まれる情報の公開と、AIに任せる範囲の設計が求められます。

「購買の90%がAIエージェントを介する」とはどういう意味ですか?

Gartnerが2025年10月に出した、2028年までの予測です。購買の途中で、AIエージェントが情報収集や比較、やり取りの間に入るという意味で、AIが購入を決めるとまでは言っていません。G2の2026年の調査でも、購入まで任せてよいと答えた買い手は9%でした。

AIエージェントでBtoBマーケターの仕事はなくなりますか?

なくなるより、中身が変わると考えられます。配信やレポート作成のような作業はAIに任せやすくなります。一方で、任せる範囲を決めること、出力を確かめること、データを管理すること、部門間を調整することは人の仕事として残ります。

中小企業でもAIエージェントは使えますか?

使えます。ただし、本格的に使っている企業は大企業でもまだ一部です。McKinseyの2026年の調査では、AIエージェントを少なくとも1つの業務で本格的に展開している企業は、売上10億ドル超の企業で40%、それより小さい企業で22%でした。中小企業では、AIの回答に自社が出るかを確かめ、足りない情報をサイトに載せることから始めると、大きな費用をかけずに始められます。

製造業でもAIエージェントの影響はありますか?

あると考えられます。機械や部品の購買に絞った調査はまだ少ないものの、IT製品に限らないBtoBの購買でも、AIで候補を洗い出す人は増えています。まずは型番や仕様、対応する規格を、カタログのPDFだけでなくWebページにも載せることから始めましょう。

まとめ

  • 買い手はAIで候補を洗い出し、比較表を作ってから営業に連絡するようになった。ただし、AIの答えをうのみにせず、自分で確かめている
  • 「購買の90%がAIエージェントを介する」という予測は、AIが購入を決めるとまでは言っていない。当面は、調べて比べるのはAI、決めるのは人という分担が続くと考えられる
  • AIの選び方には偏りがある。売り手にできるのは、正確な情報を比べやすい形で公開しておくこと
  • 売り手側の導入はこれからで、課題は設計・評価できる人材の不足にある。任せる仕事を1つに絞り、情シスと確認してから試す

AIエージェントをめぐる調査や予測は、これからも次々に出てきます。この記事も新しい調査にあわせて更新していきます。

参考資料

編集者:

中川 晃次

再生ファンド傘下の複数企業にて、マーケティングディレクターとして事業再生を牽引。戦略立案から実行まで一貫して手がけ、ECサイトにおいては売上前年比150%成長を5年連続で達成した実績を持つ。現在はマーケティングSaaS「tovira」の開発に加え、BtoB領域のマーケティングコンサルティングを通じて、企業の持続的な成長を支援している。

おすすめ記事

    関連記事