BtoBサイトの指名検索を増やす方法|キーワードSEOだけでは勝てない時代の多面的戦略

    Infographic — BtoB SEO Strategy 2026

    BtoBの指名検索を増やす多面的戦略をわかりやすく解説

    サイテーション・プレスリリース・SNS・動画・広告… 検索される企業になるための8つの施策を、ひと目でわかるインフォグラフィックにまとめました。

    「SEO対策をしているのに、自社名やサービス名で検索されない」——BtoB企業の多くが抱えるこの課題。実は、キーワード対策だけでは「指名検索」は増えません。本インフォグラフィックでは、ブランドの認知を高め、指名検索を増やすための最新の多面的アプローチを、マーケティング初心者にもわかりやすく解説します。

    Section 01

    そもそも「指名検索」って何?

    指名検索

    ブランド名で直接検索すること

    検索キーワードの例:

    Salesforce 料金 サイボウズ 導入事例 Sansan 評判

    すでにその企業やサービスを知っている人が、もっと詳しく知りたくて行う検索。購入や問い合わせに近い段階の行動です。

    一般検索

    カテゴリーや課題で検索すること

    検索キーワードの例:

    CRM 比較 名刺管理 おすすめ MA ツール 無料

    まだ特定の企業を決めておらず、情報収集の段階にある人が行う検索。競合との順位争いが激しくなります。

    指名検索は、なぜこんなに「おいしい」のか?

    CTR

    クリック率が高い

    迷わず自社をクリック

    CVR

    成約率が高い

    すでに信頼がある状態

    低リスク

    競合に奪われにくい

    自社名で上位独占

    低コスト

    広告費を抑えられる

    CPC が安い

    Section 02

    指名検索が増えると、SEO全体が好転する

    指名検索の増加は、ブランディングだけでなくSEO評価そのものに波及効果をもたらします。

    Impact 01

    E-E-A-T評価の向上

    Googleが重視する「経験・専門性・権威性・信頼性」の評価が向上。「このブランドは信頼されている」というシグナルとして機能します。

    Impact 02

    検索順位の底上げ

    指名検索数はGoogleにとってシンプルかつ操作されにくい信頼性の指標。サイト全体の評価が底上げされる可能性があります。

    Impact 03

    CTR・CVRの大幅改善

    指名検索ユーザーはすでに関心と信頼を持っているため、クリック率・成約率・滞在時間すべてが良好な数値になります。

    Section 03 — Main Strategies

    指名検索を増やす8つの多面的施策

    キーワードSEOだけに頼らず、あらゆるチャネルから「ブランドの認知」を高めましょう。

    1

    サイテーション戦略

    リンクがなくても、自社名がWeb上で「言及」されるだけでSEO効果あり。企業の知名度・評判そのものがシグナルになります。

    NAP情報の統一 比較サイトへの掲載 プレスキット設置
    2

    プレスリリース活用

    単なるお知らせではなく「デジタル資産」。被リンク獲得+サイテーション+AI検索での信頼性向上の3つの経路でSEOに貢献します。

    被リンク獲得 サイテーション効果 AI一次情報源
    3

    SNS運用

    BtoBではX(旧Twitter)とLinkedInが軸。企業アカウントだけでなく、経営者や専門家個人の発信が信頼と認知を生みます。

    X・LinkedIn 個人の発信力 認知目的のSNS広告
    4

    動画マーケティング

    YouTubeは「第二の検索エンジン」。1年半の継続投稿で指名検索が10倍になった事例もあります。

    製品デモ 事例インタビュー ウェビナー録画
    5

    広告施策

    コンバージョンではなく「認知」をKPIに。タクシー広告は経営層リーチに、ディスプレイ広告は潜在層の認知拡大に効果的です。

    タクシー広告 ディスプレイ広告 比較サイト出稿
    6

    マルチチャネル展開

    ブログ1本を、メルマガ・YouTube・Podcast・ホワイトペーパー・SNS投稿に変換。複数チャネルからの「想起検索」を狙います。

    1コンテンツ多展開 継続できる範囲で
    7

    共同マーケティング

    同じターゲットを持つ非競合企業と共同でコンテンツを作成。パートナーの信頼と顧客リストを借りて、新しい層にリーチします。

    共同ウェビナー 共著レポート 相互メルマガ
    8

    セミナー・展示会・ウェビナー

    オフライン接点→帰社後の「サービス名検索」という流れを設計。ウェビナーはアーカイブ化で長期的な資産にもなります。

    検索前提のLP整備 アーカイブ二次利用

    Section 04 — AI Era

    AI時代に変わるSEOの評価軸

    2025年以降、Googleはこう変わった

    一次情報を重視

    AIはプレスリリースや公式発表を「信頼できる情報源」として優先的に参照。一次情報の発信量が企業の信頼度を左右します。

    非リンク型評価の台頭

    リンクの有無に関係なく「誰にどこで語られているか」が重要に。業界メディアでの取材、専門家からのSNS言及が評価対象です。

    「語られ方」の設計

    サイテーションは偶然ではなく設計するもの。どう語られたいか、語られた後の導線まで戦略的に組み立てることが求められます。

    Section 05 — First Steps

    まず何から始める? 最初の3ステップ

    8つの施策すべてを一度にはできません。どの企業でもまず着手すべきことがあります。

    1

    計測環境を整える

    サーチコンソールとGA4で、現在の指名検索数を可視化。効果検証の土台を作る。

    2

    受け皿を整備する

    製品詳細・料金・事例ページなど、コンバージョンに近いページを優先的に最適化。

    3

    覚えやすいネーミングを確認

    サービス名が長すぎないか? 略称はあるか? そもそも検索されやすい名前か見直す。

    Conclusion

    「検索される企業」になるための3つの原則

    Principle 01

    多面的に仕掛ける

    キーワードSEOだけでなく、サイテーション・PR・SNS・動画・広告・イベントを組み合わせて認知のタッチポイントを増やす。

    Principle 02

    信頼資産を積み上げる

    プレスリリースやサイテーションは一時的な施策ではなく「デジタル資産」。AI時代には、蓄積された一次情報が企業の信頼性を決める。

    Principle 03

    計測し、改善し続ける

    サーチコンソール・Googleトレンド・GA4で効果を継続計測。PDCAを回しながら指名検索数を着実に伸ばしていく。

    キーワードSEOだけでは勝てない時代。
    多面的なブランドSEO戦略で
    「検索される企業」を目指しましょう。

    「SEO対策はしっかりやっているのに、自社名やサービス名での検索がなかなか増えない——」

    BtoB企業のマーケティング担当者であれば、一度はこの壁にぶつかったことがあるのではないでしょうか。

    コンテンツSEOやテクニカルSEOを地道に続けることはもちろん重要です。しかし、Googleのアルゴリズムが進化し、AI検索が台頭する現在、キーワード戦略だけでは指名検索は増えません。サイテーション、プレスリリース、SNS、動画、広告——あらゆるチャネルを横断した「ブランドSEO」の設計が求められる時代に突入しています。

    本記事では、BtoBサイトにおける指名検索の重要性を改めて整理した上で、2026年の最新トレンドを踏まえた多面的な施策を体系的に解説します。

    指名検索とは?一般検索との違いとBtoBでの重要性

    指名検索の定義

    指名検索とは、企業名・ブランド名・サービス名などの固有名詞を含むキーワードで検索する行動を指します。たとえば「Salesforce 料金」「サイボウズ 導入事例」のように、特定の企業やサービスを名指しで検索するケースがこれにあたります。

    一方、「CRM 比較」「MA ツール おすすめ」のように、特定のブランドを指定せずにカテゴリーや課題で検索する行動は「一般検索(非指名検索)」と呼ばれます。

    一般検索と指名検索の比較

    比較項目 指名検索 一般検索(非指名検索)
    検索キーワード例 「サイボウズ 料金」「Sansan 事例」 「名刺管理 ツール 比較」「CRM おすすめ」
    ユーザーの購買段階 比較検討〜意思決定フェーズ 情報収集〜比較検討の初期
    クリック率(CTR) 高い(指名した企業をほぼ迷わずクリック) 中程度(上位から順にクリック)
    コンバージョン率(CVR) 高い(信頼・関心がある状態) 低〜中(まだ比較段階)
    競合リスク 低い(自社サイトが上位を占めやすい) 高い(競合と順位争いが発生)
    広告コスト(CPC) 低い 高い

    なぜBtoBで指名検索が特に重要なのか

    BtoBビジネスには、指名検索を重視すべき固有の理由が3つあります。

    第一に、BtoBの購買プロセスは長く、関与する意思決定者も複数に及びます。現場担当者がサービスを発見し、上司が検索して情報を確認し、最終的に経営層が判断する。この各段階で「サービス名」で検索されることが商談化の鍵になります。

    第二に、BtoB商材はニッチであることが多く、一般検索のボリューム自体が限られます。指名検索の比率を高めることが、効率的なリード獲得につながります。指名検索経由のリードは商談化率・成約率ともに高い傾向が多くのBtoB企業で確認されています。

    第三に、指名検索が増えれば広告費を抑えられます。リスティング広告の指名キーワードのCPCは一般キーワードに比べて低く、自然検索で上位表示できれば広告に頼る必要すらなくなります。

    指名検索がSEOに与える3つのインパクト

    指名検索を増やすことは、単なるブランディング施策にとどまりません。SEO全体に波及する効果があります。

    指名検索がSEOに与える3つのインパクト 指名検索 の増加 インパクト① E-E-A-T評価の向上 権威性・信頼性のシグナル強化 インパクト② サイト全体の順位底上げ ブランド信頼性の定量シグナル インパクト③ CTR・CVRの大幅改善 商談化率・成約率に直結 売上・リード獲得の 持続的な拡大

    インパクト①:E-E-A-T評価の向上

    Googleが重視するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の各要素に、指名検索は間接的に好影響を与えます。ユーザーが特定の企業名やサービス名で繰り返し検索するという行動は、検索エンジンに対して「このブランドは認知され、信頼されている」という強いシグナルになります。

    特に2025年以降のコアアップデートでは、リンクの有無だけでなく「誰にどこで語られているか」というコンテキスト評価が重視される傾向が強まっています。指名検索の増加は、まさにこの評価を高める要因となります。

    インパクト②:サイト全体の検索順位への好影響

    指名検索数が増加すると、自社サイトのGoogleからの評価が全体的に底上げされる可能性があります。

    被リンクは一度獲得すれば蓄積されていく性質がありますが、仕組みが複雑で操作されやすいという課題がありました。一方、指名検索数は毎月リアルタイムで増減するシンプルな指標であり、Googleにとってブランドの信頼性をより正確に測るシグナルとして機能しやすいと考えられます。

    インパクト③:CTR・CVRの大幅な改善

    指名検索ユーザーは、すでに自社に対して一定の関心と信頼を持っています。そのため、検索結果でのクリック率(CTR)が高く、サイト訪問後のコンバージョン率(CVR)、平均ページビュー数、滞在時間も良好な数値になりやすいです。

    BtoBにおいては、指名検索からのリードが一般検索からのリードに比べて商談化率が高い傾向があり、売上への直接的な貢献度も大きくなります。

    指名検索が増えることは、SEOの評価向上やブランドへの信頼獲得に直結する。ユーザーが特定のサービス名で検索するという行動自体が、検索エンジンに対して「このサイトはブランドとして認知・支持されている」という強いシグナルとなる。

    まず現状を把握する | 指名検索数の計測方法

    施策を打つ前に、自社の指名検索の現状を正しく把握しましょう。主に3つのツールを活用します。

    ツール 主な用途 確認できる指標 特徴
    Googleサーチコンソール 指名キーワードの流入分析 インプレッション数、クリック数、CTR、掲載順位 自社サイトの実データに基づく正確な分析が可能
    Googleトレンド 検索ボリュームの推移比較 検索人気度の推移、競合との比較 競合企業との相対的なポジション把握に有効
    GA4 流入経路と行動分析 直接流入数、再訪問率、エンゲージメント、CV相関 施策実施後の行動変化を検証できる

    Googleサーチコンソールでの確認手順

    1. 「検索パフォーマンス」→「検索結果」を開く
    2. 「クエリ」フィルターで自社名・サービス名・ブランド名を含むキーワードを抽出する
    3. インプレッション数とクリック数の月次推移を確認する
    4. 指名検索のバリエーション(略称・タイプミス・サービス名+機能名など)を網羅的にチェックする
    5. 意図しないページが表示されていないか、サジェストにネガティブワードがないか確認する

    Googleトレンドでの競合比較

    指名キーワードの検索ボリューム推移をグラフで確認できます。自社だけでなく競合企業のキーワードと並べて比較できるため、市場における自社のポジションを相対的に把握するのに有効です。自社の指名検索が増えていても、競合がそれ以上に伸びていれば差を広げられていることになります。

    GA4での行動分析

    直接流入(Direct)や再訪問ユーザーの増加傾向を確認します。広告やSNS施策を実施した後にこれらの数値が伸びていれば、指名検索増加と相関がある可能性が高まります。セッションごとのエンゲージメントやCVとの相関分析も行うことで、施策の効果をより深く検証できます。

    出典:指名検索を増やす方法とは?9つのブランド強化施策を解説 - シンプリック

    BtoBサイトの指名検索を増やす8つの多面的施策

    ここからが本記事のメインパートです。キーワードSEOだけに頼らず、あらゆるチャネルから「ブランドの認知」を高め、指名検索の増加につなげる8つの施策を解説します。

    指名検索を増やす8つの多面的施策マップ 指名検索 の増加 ① サイテーション NAP統一・言及獲得 ② プレスリリース デジタル資産構築 ③ SNS運用 X・LinkedIn活用 ④ 動画マーケティング YouTube継続投稿 ⑤ 広告施策 タクシー・ディスプレイ ⑥ マルチチャネル展開 1コンテンツ多展開 ⑦ 共同マーケティング 非競合との協業 ⑧ セミナー・展示会 ウェビナー活用

    施策①:サイテーション戦略——リンクがなくても効く「言及の力」

    サイテーションとは、自社の企業名・サービス名・住所・電話番号などがインターネット上で言及されている状態を指し、リンクの有無は問いません。被リンクが「SEO上の道路」だとすれば、サイテーションは「ビジネスの知名度・評判そのもの」です。

    NAP情報の統一を徹底する

    自社の正式名称・住所・電話番号(NAP情報)が、自社サイト・Googleビジネスプロフィール・各種ディレクトリサイト・SNSプロフィールなどで統一されているかを確認しましょう。表記ゆれがあると検索エンジンが同一企業として認識しにくくなり、サイテーションの効果が弱まります。

    NAP統一チェックリスト

    チェック対象 確認ポイント
    自社コーポレートサイト 会社概要ページの社名・住所・電話番号が正式名称で記載されているか
    Googleビジネスプロフィール 登録情報がコーポレートサイトと完全に一致しているか
    SNSプロフィール(X・LinkedIn・Facebook) 各アカウントの社名表記が統一されているか
    比較サイト・レビューサイト ITreview、BOXIL、G2等に掲載されている情報に表記ゆれがないか
    プレスリリース配信サービス PR TIMES等の企業情報欄がコーポレートサイトと一致しているか

    業界メディア・レビューサイト・比較サイトへの掲載

    ITreview、BOXIL、G2などのSaaS比較サイトへの掲載は、BtoBにおけるサイテーション獲得の有力な手段です。ユーザーからのレビューも積極的に収集し、第三者からの言及を増やしましょう。

    「引用されやすい企業設計」を行う

    会社概要ページや事例ページに、記者やブロガーが引用しやすい簡潔な説明文を掲載しておくことで、自然なサイテーションの発生を促せます。メディア関係者向けのプレスキットを用意し、問い合わせ先をわかりやすい位置に設置しておくことも効果的です。

    出典:サイテーションとは?SEOとMEOで重要な理由を解説 - Ahrefs

    出典:サイテーションとは?SEO・LLMO・MEOへの効果と実践的な獲得方法を徹底解説 - アドカル

    施策②:プレスリリース活用——AI時代の「デジタル資産」構築

    プレスリリースは、単なるお知らせではなく、検索エンジンとAIに「権威ある信頼できる存在」として認識させるための戦略的なデジタル資産です。

    プレスリリースがSEOに貢献する3つの経路

    プレスリリース → SEO貢献の3つの経路 プレスリリース (企業の一次情報) 経路① 被リンク獲得 メディア掲載→自社サイトへのリンク 経路② サイテーション効果 リンクなしでも企業名の言及が増加 経路③ AI検索での参照 一次情報として信頼性判定の材料に SEO評価向上 + 指名検索の増加 + ブランド信頼性UP

    第一に、メディアに掲載されることで被リンクを獲得できます。大手メディアや業界専門メディアからの被リンクはSEO効果が特に大きくなります。第二に、リンクがなくても企業名やサービス名がメディア上で言及されることでサイテーション効果が発生します。第三に、AI検索がプレスリリースを「企業の公式な一次情報」として参照し、信頼性の判定材料にする傾向が強まっています。

    BtoB企業がプレスリリースを出すべきタイミング

    • 新サービスのリリースや機能アップデート
    • 独自の調査データ・統計情報の公開
    • 業界カンファレンスでの登壇レポート
    • 資金調達やパートナーシップ締結
    • 導入社数や実績のマイルストーン達成

    定期的にプレスリリースを配信し続けることで、メディアとの関係性を構築しながらサイテーションを蓄積していきましょう。PR TIMESなどの総合配信サービスに加え、自社の業界に特化した専門メディアへの個別送付も効果的です。

    出典:【解説】プレスリリースにSEO効果がある理由と活用方法5選 - シェイプウィン

    出典:新プレスリリースの書き方で被リンクとAIサイテーションを量産する最新SEO戦略 - デジタルドロップ

    施策③:SNS運用——BtoBに効くプラットフォームの選び方

    SNSは指名検索を増やすための重要なチャネルですが、BtoBではプラットフォームの選択が成果を大きく左右します。

    BtoBに有効なSNSプラットフォーム比較

    プラットフォーム BtoBでの主な活用法 指名検索への効果
    X(旧Twitter) 業界トレンドへのコメント、ブログ更新通知、リアルタイムの話題への参加 拡散力が高く、短期的な認知拡大に有効
    LinkedIn 経営者・専門家個人からの深い洞察の発信、企業ページでの採用・PR情報 ビジネス文脈での信頼性構築に直結
    Facebook ウェビナー告知、コミュニティ運営、長文コンテンツの共有 40代以上の意思決定者へのリーチ
    YouTube 製品デモ、導入事例、ウェビナーアーカイブ(施策④で詳述) 継続投稿で検索ボリュームに大きく影響

    企業の看板よりも「人の顔」が信頼を生む

    BtoBでは「企業の看板」よりも「人の顔」が信頼を生むことが多くあります。経営者やマーケティング責任者が自ら業界の知見を発信することで、企業名やサービス名の認知拡大につながります。

    SNS広告で潜在層にリーチする

    興味・関心が近いユーザーのタイムラインに表示されるSNS広告は、まだ自社を知らない層にサービス名を認知してもらうのに効果的です。コンバージョンよりも認知を目的とした安いCPCでの広告出稿を検討しましょう。

    出典:指名検索とは?一般検索との違い、指名検索を増やす方法や注意点を解説 - シャノン

    施策④:動画マーケティング——YouTubeは「第二の検索エンジン」

    動画コンテンツは、指名検索を増やす上で見過ごされがちですが、極めて強力な手段です。

    YouTubeのオーガニック投稿を継続する

    初めは注目されにくくても、継続的に投稿することで徐々に検索ボリュームに影響を与えます。あるBtoB企業ではYouTubeのオーガニック投稿を1年半継続した結果、指名検索のボリュームが10倍になった事例も報告されています。

    BtoB企業に有効な動画コンテンツ

    コンテンツの種類 概要 指名検索への効果
    製品デモ動画 製品の機能や使い方を実際の画面で紹介 サービス名+機能名での検索を誘発
    導入事例インタビュー 顧客企業の担当者に導入効果をヒアリング 信頼性向上により「サービス名 評判」検索を促進
    業界トレンド解説 業界の最新動向をわかりやすく解説 専門性の認知→企業名の想起検索につながる
    ウェビナーアーカイブ 開催済みウェビナーの録画を公開 長尺で深い理解を促し、検索行動への転換率が高い

    動画で自社のサービス名を自然に繰り返し言及することで、視聴者が後からGoogleでサービス名を検索する行動(想起検索)を促進できます。

    出典:【決定版】指名検索を増やす上で有効な19の手法 - PPC-LOG

    施策⑤:広告施策——認知拡大を目的とした戦略的な出稿

    広告は短期的にブランド認知を高め、指名検索の増加を加速させる手段です。

    BtoBに有効な広告チャネル

    広告チャネル 特徴 BtoBでの活用ポイント
    タクシー広告(サイネージ) 日中のビジネスパーソンに高確率でリーチ 経営層・意思決定者への認知獲得に効果的
    ディスプレイ広告(バナー) 安いクリック単価で大量に出稿可能 潜在層の認知拡大→後日の指名検索を誘発
    比較サイト広告 比較検討中のユーザーに直接リーチ ITreview・BOXIL等で選択肢に入り、指名検索につなげる
    SNS広告 興味・関心でターゲティングが可能 認知目的の低CPC出稿でサービス名の浸透を図る

    広告施策のポイントは、コンバージョンではなく「認知」をKPIに設定することです。一度広告でサイトを訪問したユーザーが、後日指名検索で再訪問してコンバージョンに至るケースを追跡することで、広告の間接的な効果を計測できます。

    施策⑥:コンテンツのマルチチャネル展開——「1コンテンツ多展開」の思想

    ブログ記事だけをWordPressに掲載して終わりにしていませんか? 同じコンテンツを編集して複数のチャネルで再利用することが、指名検索増加の近道です。

    1コンテンツ多展開の全体像 ブログ記事 (原コンテンツ) 1本作成すれば… メルマガとして配信 YouTube動画化 Podcast音声化 ホワイトペーパー化 SNS投稿として発信 複数チャネルで露出拡大 → 各チャネルからの 想起検索(指名検索)が発生

    重要なのは、チャネルの数を際限なく増やし続けるのではなく、継続できるものだけを選んで運用するということです。外部プラットフォームで自社に興味を持ったユーザーは、検索エンジンでサービス名を調べてくれる可能性があります。

    出典:指名検索とは?増やす方法と指名検索数の調べ方 - サイトエンジン

    施策⑦:共同マーケティング(Co-marketing)——BtoBならではの協業戦略

    共同マーケティングとは、同じペルソナを持つ非競合企業同士が一緒にマーケティングコンテンツを作成し、互いの認知を拡大する手法です。

    たとえば、MAツールを提供する企業とCRMツールを提供する企業が共同でホワイトペーパーを制作し、両社のリストに配信するといったケースが典型的です。

    共同マーケティングの主な形態

    • 共同ウェビナーの開催(両社の顧客リストに案内し、新規リーチを獲得)
    • 共著のブログ記事・調査レポート(両社のオウンドメディアで公開)
    • 合同ホワイトペーパーの制作・配信(リード獲得を両社で分担)
    • 相互のメルマガでの紹介(既存リストの相互活用)

    この手法のメリットは、自社だけではリーチできなかった見込み客層に、パートナー企業の信頼を借りてアプローチできる点にあります。

    出典:指名検索とは?一般検索との違いや調べ方、増やし方を解説 - LEAPT

    施策⑧:セミナー・展示会・ウェビナー——オフライン接点から指名検索へ

    BtoB企業にとって、セミナーや展示会は依然として重要な集客チャネルです。

    セミナーや展示会で自社のサービスに興味を持った参加者は、帰社後や後日、検索エンジンでサービス名を検索して情報を深掘りする行動を取ります。この流れを意識して、イベント後に検索されることを前提としたWebページ(製品詳細、料金、導入事例など)を整備しておくことが重要です。

    セミナー・展示会から指名検索へつなげるポイント

    1. 配布資料やスライドに自社サービス名を明記し、検索を促すCTAを入れる
    2. イベント後のフォローメールで、サービス名での検索で見つかるコンテンツ(料金ページ・事例ページなど)へ誘導する
    3. ウェビナーのアーカイブをYouTubeやオウンドメディアで公開し、長期的な検索流入を狙う
    4. イベント参加者向けのSNSキャンペーン(フォロー特典など)でフォロワーを獲得し、継続的な接点を作る

    特にオンラインで開催するウェビナーは、場所を問わず多くの潜在層を集客でき、アーカイブとして二次利用もできるため、指名検索増加の起点として非常に有効です。

    出典:指名検索とは?一般検索との違いや調べ方、増やし方を解説! - マイナビ

    AI時代に押さえるべき新しい視点

    2025年以降、GoogleのAI Overview(旧SGE)をはじめとするAI検索の台頭により、SEOの評価基準が大きく変化しています。この変化は指名検索戦略にも直接的な影響を与えています。

    AI検索は「一次情報」を重視する

    AIが回答を自動生成する時代において、情報の正確性と信頼性の担保がこれまで以上に重要になっています。AIは企業が公式に発表する一次情報(プレスリリース、公式ブログ、製品ページなど)と、それを基にメディアが報じた二次情報を照らし合わせて信頼性を判断します。

    つまり、プレスリリースを戦略的に発信し続けることは、AI検索において自社が「権威ある情報源」として認識されるための基盤づくりになるのです。

    AI時代のプレスリリースは、「メディアに掲載されること」をゴールとするPR施策であると同時に、検索エンジンとAIに「権威ある信頼できる存在」と認知させ、SEO評価を高めるための「デジタル資産構築」施策でもある。

    サイテーションの「非リンク型評価」が重要性を増す

    従来のSEOでは被リンクの数と質が評価の中心でしたが、近年はリンクの有無に関係なく「誰にどこで語られているか」というコンテキスト評価の重要性が増しています。業界メディアでの取材記事、専門家からのSNSでの言及、カンファレンスでの登壇実績——これらはすべて、リンクを伴わなくてもSEO評価にプラスの影響を与える可能性があります。

    出典:業界メディアでの掲載がSEOに与える影響とは? - Webaxis

    「語られ方」を設計する

    サイテーションは偶然発生するものではありません。「どう語られたいか」「誰に語られたいか」「語られた後にどこへ導くか」までを設計することで、SEOとしても意味を持つブランド露出になります。

    1. 業界メディアで語られた内容に対応する自社ページを構築する
    2. メディア記事からの想起検索に最適化されたページ構成を整える
    3. 掲載履歴を蓄積・整理して評価資産化する
    4. プレスリリースの名称や表現を統一し「引用されやすい企業設計」を行う

    AI検索と指名検索の相互関係

    AI検索を意識するなら、指名検索のAI最適化も視野に入れておく必要があります。AI検索の特徴である「自然言語理解」「文脈認識」「パーソナライゼーション」を考慮すると、指名検索とAI検索は相互に補完し合う関係にあります。

    構造化データの実装を通じて自社情報を検索エンジンとAIの双方に正しく伝えることも、今後ますます重要になるでしょう。

    出典:指名検索とは?SEOとの効果的な関係性と対策方法 - SEO Pack

    BtoB企業の成功事例に学ぶ

    事例①:サイボウズ式——製品から離れたコンテンツで指名検索を伸ばす

    企業向けグループウェアを提供するサイボウズが運営するオウンドメディア「サイボウズ式」は、製品とは完全に離れたテーマでコンテンツを発信しています。働き方や組織づくりなど、世の中で話題になっているトピックやユーザーのニーズに応える記事を提供し、サイボウズという企業名の認知を大きく拡大しました。

    この事例が示すのは、ブログ記事の充実だけでなく、「自社の知名度を上げること」を明確な目的としたメディア設計の重要性です。課題解決型のコンテンツだけにとらわれず、ターゲットの関心事に寄り添うことで、ブランドの認知度と好感度を同時に高めることができます。

    事例②:指名検索からのCV導線を最適化したケース

    あるBtoB企業では、自社名で指名検索するユーザーの行動を分析したところ、「すぐに資料が欲しい」というニーズが一定割合で存在していました。これには2つのパターンがあります。自発的に製品を理解しようとしているメンバーと、上司の指示を受けてスピーディーに資料を入手しようとしているスタッフです。

    そこで指名検索からの導線を最適化し、資料請求までのステップを簡素化した結果、リード獲得数の増加につなげています。

    指名検索を増やすだけでなく、増えたトラフィックを確実にコンバージョンにつなげる「受け皿」の整備も同時に重要である。製品詳細ページ、料金ページ、事例ページなどコンバージョンに近いコンテンツから優先的に最適化すべきだ。

    出典:指名検索とは?一般検索との違い、指名検索を増やす方法や注意点を解説 - シャノン

    施策の優先順位をどう決めるか

    8つの施策を一度に全部実行するのは現実的ではありません。自社の状況に応じた優先順位を設定しましょう。

    ビジネスモデル × ターゲット規模 別の施策優先度

    タイプ 優先度の高い施策 理由
    Horizontal SaaS(業界横断型) SNS広告、タクシー広告、マルチチャネル展開 ターゲットが広く、マスリーチ施策が有効
    Vertical SaaS(特定業界向け) 業界メディアでのサイテーション、業界カンファレンス登壇、共同マーケティング ターゲットが集まる場での効率的な認知獲得
    中小企業がターゲット SNS運用、コンテンツのマルチチャネル展開、YouTube 広くリーチし、低コストで認知を拡大
    大手企業がターゲット セミナー・展示会、プレスリリース、共同マーケティング 信頼性を重視した施策で意思決定者にアプローチ

    どのような企業でもまず着手すべき3つのこと

    1. 現状の計測環境を整える——サーチコンソールとGA4で指名検索の現状を可視化する。計測できなければ、どの施策が効いたかを判断できない。
    2. 自社サイトの「受け皿」を整備する——指名検索が増えても、製品詳細ページや料金ページ、事例ページが不十分であればコンバージョンにつながらない。コンバージョンに近いコンテンツから優先的に最適化する。
    3. 覚えやすいブランド名・ネーミングを見直す——長すぎて覚えにくいサービス名は、そもそも指名検索されにくい。略称の導入も検討する価値があるが、商標の問題には注意が必要。

    出典:指名検索マーケティングとは?BtoBで指名検索を増やす施策と効果を高めるポイント - 猿人

    まとめ

    指名検索を増やすことは、BtoB企業にとって単なるSEO施策ではなく、ブランドの信頼資産を構築する経営戦略そのものです。

    従来のキーワードSEOが「検索結果の中で見つけてもらう」ための施策だったとすれば、指名検索戦略は「検索される企業になる」ための施策です。そしてAI時代の到来により、この考え方の重要性はさらに増しています。

    本記事で紹介した8つの施策まとめ

    No. 施策 概要 難易度
    サイテーション戦略 NAP統一と業界メディアでの言及獲得
    プレスリリース活用 AI時代のデジタル資産としての一次情報発信 中〜高
    SNS運用 X・LinkedInを軸としたBtoB向け発信 低〜中
    動画マーケティング YouTubeの継続投稿による検索ボリューム拡大 中〜高
    広告施策 タクシー広告・ディスプレイ広告による認知拡大 中(予算次第)
    マルチチャネル展開 1コンテンツを編集して複数チャネルで再利用 低〜中
    共同マーケティング 非競合企業との協業によるリーチ拡大 中〜高
    セミナー・展示会 オフライン接点からの指名検索誘導

    これらの施策は、どれか一つだけを実行するのではなく、自社の状況に合った組み合わせで進めることが重要です。そして、Googleサーチコンソール・Googleトレンド・GA4による効果計測を継続し、PDCAを回しながら指名検索数を着実に伸ばしていきましょう。

    キーワードSEOだけでは勝てない時代だからこそ、多面的なブランドSEO戦略で「検索される企業」を目指してください。

    最終更新日:2026-03-31
    編集者:

    中川 晃次

    再生ファンド傘下の複数企業にて、マーケティングディレクターとして事業再生を牽引。戦略立案から実行まで一貫して手がけ、ECサイトにおいては売上前年比150%成長を5年連続で達成した実績を持つ。現在はマーケティングSaaS「tovira」の開発に加え、BtoB領域のマーケティングコンサルティングを通じて、企業の持続的な成長を支援している。

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