ChatGPTやPerplexity、GoogleのAIによる概要(AI Overviews)など、検索するとAIが答えをまとめて返してくれる場面が増えました。そこで注目されているのが、AIの回答の中で自社の情報を取り上げてもらうための「LLMO対策」です。
LLMO対策の解説記事では、「出典や統計を加えると、AIの回答での露出が最大40%高まる」という研究がよく引用されます。2024年に国際学会KDDで発表された、通称「GEO論文」です。ただ、この「40%」は、AIに引用される確率が40%上がるという意味ではありません。何を測った数字なのかを知らないまま施策を選ぶと、効果の薄い作業に時間を使ってしまいます。
先に結論をまとめておきます。
- 出典、正確な統計、専門家の言葉を添える書き方は、論文の結果から見ても、読者にとっての価値から見ても、続けてよい
- ただし、その後の再検証では効果が限られるという結果が続いており、「40%」をそのまま期待するのは危うい
- Googleは2026年5月の公式ガイドで、生成AI検索への最適化も「SEOであることに変わりはない」と説明した。LLMO対策の基本は、SEOと第三者からの言及にある
この記事では、LLMO対策の基本を整理したうえで、GEO論文の中身と読み方、その後の研究とGoogleの見解を紹介し、そこから導いた実務の進め方と効果測定の方法をまとめます。
この記事でわかること
- LLMO対策とは何か、SEOとどう違うのか
- GEO論文が何を測り、どんな結果を出したのか
- 「最大40%」を読むときの5つの注意点
- その後の研究とGoogleの公式見解
- これからLLMO対策を始める5つのステップと、効果の測り方
LLMO対策とは?SEOとの違い
LLMOは「Large Language Model Optimization」の略です。ChatGPTやGeminiのような大規模言語モデル(LLM)を使ったサービスが回答を作るときに、自社のページが参照されたり、社名や製品名が挙げられたりするよう整える取り組みを指します。
日本では「LLMO」という呼び方が広まりましたが、海外や研究の世界では「GEO(Generative Engine Optimization)」がよく使われます。AIO、AEOも、ほぼ同じ領域を指す言葉です。呼び方の違いにこだわる必要はあまりありません。
SEOとLLMO対策の違い
| SEO | LLMO対策 | |
|---|---|---|
| 主な対象 | Googleなどの検索結果に並ぶページのリンク | ChatGPT、Perplexity、Gemini、AIによる概要などの回答 |
| 目指す状態 | 検索結果の上位に表示され、クリックされる | 回答の中で引用や言及をされ、出典リンクに選ばれる |
| 主な指標 | 検索順位、表示回数、クリック数 | AIの回答での言及や引用、AI経由の流入、指名検索の推移 |
SEOとLLMO対策は別物ではなく、重なる部分が大きい取り組みです。検索機能を持つ生成AIの多くは、回答を作る前にWebを検索し、見つけたページを読んで答えをまとめます。後で紹介するGEO論文の実験も、「Google検索の上位5件をAIに渡して回答させる」という形でした。検索エンジンに見つけてもらえないページは、AIの回答でも参照されにくくなります。
なぜいまLLMO対策が必要なのか
AIの回答だけで用が済めば、ユーザーは検索結果のリンクをクリックしません。検索順位を上げるだけでは、以前ほど自社サイトへの流入につながらない場面が出てきています。
Google自身も、AIの回答の中での見え方を測る仕組みを整えています。2026年6月には、AIによる概要やAIモードでの表示回数を確認できる「生成AIパフォーマンスレポート」をSearch Consoleに追加し、8月31日にはすべてのサイトへ提供を広げました(Google検索セントラル ブログ)。AIの回答の中での露出は、サイト運営者が追いかける指標の1つになっています。
LLMO対策の根拠としてよく引用される「GEO論文」とは
LLMO対策の記事で「最大40%」の根拠として引用されているのが、次の論文です。生成AIの回答の中での露出を高める取り組みを「GEO」と名付け、体系的に検証した初期の研究として知られています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | GEO: Generative Engine Optimization |
| 著者 | Pranjal Aggarwal、Vishvak Murahari、Tanmay Rajpurohit、Ashwin Kalyan、Karthik Narasimhan、Ameet Deshpande |
| 所属 | インド工科大学デリー校、プリンストン大学ほか |
| 初出 | 2023年11月(arXiv) |
| 発表 | KDD 2024(データマイニング分野の国際学会。2024年8月、バルセロナ) |
| データとコード | GitHubで公開(評価用データセット「GEO-bench」を含む) |
この論文は「プリンストン大学の論文」と紹介されることが多いのですが、筆頭著者の所属はインド工科大学デリー校です。この記事では「プリンストン大学などの研究チーム」と書きます。
GEO論文は何をどう測ったのか
結果を読む前に、実験の形を押さえておきましょう。ここを知っておくと、「40%」が何の数字なのかがはっきりします。
実験の仕組み
研究チームは、次のような模擬的なAI検索エンジンを作りました(図1)。
回答のばらつきを抑えるため、同じ条件で5回回答を作らせて平均をとっています。
質問には、研究チームが用意した「GEO-bench」という1万件の質問集を使いました。9種類のデータ源から集めた質問で、8割が情報を調べる質問です。残りは、購入などの行動を目的とした質問と、特定のサイトを探す質問が半分ずつです。結果の評価には、このうち1,000件を使っています。
「露出」を測る2つの指標
論文は、回答の中での露出を2つの指標で測りました。
- 位置調整済み語数:回答のうち、そのページを出典として引用した文が占める語数の割合。回答の前の方に出てくるほど重く数える
- 主観的印象:回答の中での関連性、影響度、独自性、クリックされそうかなど7つの観点を、GPT-3.5に採点させたもの
どちらも、AIの回答の中でそのページがどれだけの存在感を持つかを表す数字です。検索順位でも、クリック数でも、売上でもありません。この点が、後で「40%」を読むときの前提になります。
GEO論文の結果:効いた手法・効かなかった手法
論文は9つの書き換え方法を試しました。図2は、位置調整済み語数(総合)が書き換えなしと比べてどれだけ変わったかを示しています。変化率は論文の表1の数値から当社で計算したもので、論文本文には「最良の手法で41%向上」と書かれています。
出典:Aggarwal et al.(KDD 2024)表1の数値から当社で計算。※権威的な文体は、論文本文では目立った改善なしとされている
各手法の内容と、もとになったスコアは次のとおりです。
| 手法 | 内容 | スコア |
|---|---|---|
| 引用文の追加 | 信頼できる情報源からの引用文を加える | 27.2 |
| 統計の追加 | 定性的な説明を数値に置き換える | 25.2 |
| 流暢さの改善 | 文章を滑らかにする | 24.7 |
| 出典の明記 | 主張に出典を付ける | 24.6 |
| 専門用語の追加 | 専門的な用語を加える | 22.7 |
| わかりやすい表現 | 言葉を平易にする | 22.0 |
| 権威的な文体 | 断定的で説得的な調子にする | 21.3 |
| 独自の語彙の追加 | 珍しい単語を加える | 20.5 |
| 書き換えなし | 比較の基準 | 19.3 |
| キーワードの詰め込み | 質問に含まれる語を多く入れる | 17.7 |
※出典:GEO: Generative Engine Optimization(arXiv v3)の表1をもとに作成
権威的な文体は数字の上では小さなプラスですが、論文本文では目立った改善はなかったとされています。上位に並んだのは、引用文、統計、出典といった「根拠を足す」方法でした。
キーワードの詰め込みは逆効果だった
SEOで昔からある「キーワードを多く入れる」方法は、書き換えなしより8%悪い結果でした。AIの回答の中での露出は、キーワードの数では上がらないということです。
検索順位が低いページほど伸びた
論文は、上位5件のページをすべて同時に書き換える実験も行っています。この実験では、検索5位のページは出典の明記で露出が115.1%増えた一方、1位のページは30.3%減りました。引用文の追加(5位+99.7%、1位−22.9%)、統計の追加(5位+97.9%、1位−20.6%)でも同じ傾向です。
研究チームは、被リンクなどで不利になりがちな小規模なサイトにも機会がある、と解釈しています。ただし、これは検索上位5件に入っていることが前提の結果です。
分野によって効く手法が違う
効果の大きい手法は、質問の分野によって入れ替わりました。たとえば、出典の明記は事実確認や法律・行政に関する質問で、統計の追加は法律・行政や意見を問う質問で、引用文の追加は人と社会や歴史に関する質問で、特に効果が大きかったと報告されています。
実在のサービスでも同じ傾向が出た
研究チームは、実在のAI検索サービスであるPerplexityでも同じ手法を試しました。引用文の追加で位置調整済み語数が22%、統計の追加で主観的印象が37%向上し、キーワードの詰め込みは書き換えなしより10%悪化しています。
複数の手法の組み合わせも試されています。「流暢さの改善」と「統計の追加」の組み合わせが最もよく、単独で最良の手法を5.5%以上上回りました。
「最大40%」を読むときの5つの注意点
GEO論文の結果は、LLMO対策の方向性を考えるうえで参考になります。ただ、紹介のされ方によっては誤解を生みやすい数字です。次の5点を押さえておきましょう。
1. 「40%」は回答の中での存在感の伸び
「40%」は、回答の中でそのページが占める割合が、たとえば19.3から27.2に増えたという相対的な伸びです。AIに引用される確率が40%上がるわけではありません。サイトへの流入やクリック、売上が40%増えるという意味でもありません。
2. 対象は検索上位5件に入っているページ
実験で書き換えたのは、すでにGoogle検索の上位5件に入っているページです。そもそもAIに拾ってもらえるかどうかは、この実験では扱っていません。ブランドの知名度や、他のサイトでの言及が与える影響も対象外です。
3. 主な実験は2023年の模擬エンジン
主な実験は、GPT-3.5-turboとGoogle検索の上位5件を組み合わせた模擬エンジンで行われました。現在のChatGPTの検索機能やGoogleのAIによる概要とは、仕組みも使われているモデルも違います。
4. 書き換えはAIが自動で行った
「統計の追加」や「出典の明記」は、AIに指示して自動で書き加えたものです。書き加えた数字や出典が正しいかどうかは、論文では評価していません。実務で統計や出典を足すときは、実在する正確なデータに限りましょう。
5. 「小規模サイトに有利」は条件つき
5位のページが大きく伸びた結果は、検索上位5件に入っているページの中での話です。検索結果に出てこない小規模サイトでも同じように伸びる、という結果ではありません。
研究チーム自身も、生成AIは変化し続けるため手法の見直しが必要なこと、書き換えが通常の検索順位に与える影響は評価していないことを、論文の限界として挙げています。
その後の研究でわかったこと
GEO論文の発表後、別の研究チームによる再検証が進みました。全体としては、「決まった型で書き換えれば、AIの回答での露出が大きく伸びる」という見方を弱める結果が続いています。主な研究を新しい順に並べます。
| 研究 | 公開 | わかったこと |
|---|---|---|
| GEOの批判的サーベイ(Martinez) | 2026年7月 | 2023〜2026年の45本の研究を整理。複数のAIサービスで長期的に安定した効果が確かめられた手法は、まだない |
| Don't Measure Once(Schulteら、ザンクトガレン大学) | 2026年4月 | ChatGPT、Gemini、AIモード、Perplexityで同じ質問を毎日測ると、引用される情報源の6割ほどが日ごとに入れ替わった |
| E-GEO(Baggaら) | 2025年11月(2026年7月改訂) | EC分野で15種類の書き換えの型を検証。単純な書き換え指示を上回るか同程度だったのは4つで、残りの11は下回った |
| How to Dominate AI Search(Chenら、トロント大学) | 2025年9月 | AI検索は、企業の自社サイトやSNSよりも第三者のメディアを強く優先して引用する。AIサービスごとの違いも大きい |
| C-SEO Bench(Puertoら、NeurIPS 2025採択) | 2025年6月 | 約1,900件の質問、6分野で既存の手法を再検証。主な実験で統計的に意味のある改善は3例だけで、導入するサイトが増えるほど効果は薄れた |
C-SEO Benchは、AIに渡される情報の中で上位に置かれること、つまり従来のSEOで上位を取ることのほうが、書き換えよりはっきり効果が大きいとも報告しています。研究の関心は、決まった型を当てはめる方法から、AIサービスごとの好みを学習して書き換える方法(AutoGEOなど)へ移りつつあります。
AIは第三者の情報を重く見ている
トロント大学の研究では、AI検索が引用する情報源の種類を、Google検索の結果と比べています。米国の自動車に関する質問では、AI検索(GPT)が引用した情報源の81.9%が報道やレビューなどの第三者メディアでした。Google検索の結果では、第三者メディアは45.1%です。カナダでも、AI検索は69.1%、Google検索は40.6%と、同じ傾向が出ています(図3)。
出典:Chen et al.「Generative Engine Optimization: How to Dominate AI Search」(2025)の記載をもとに作成。AI検索はGPT(gpt-4o-search-preview)の結果
自社サイトの書き方を整えるだけでは、AIの回答に取り上げてもらうには足りない可能性があります。業界メディアや比較サイトなど、自社以外の場所でどう語られているかも、LLMO対策の対象になります。
AIの回答は毎回変わる
Don't Measure Onceの研究チームは、AI検索での見え方は「1回の結果」ではなく「ばらつきのある分布」として扱うべきだと主張しています。ブランドの見え方を測る場合の目安は、1つの質問につき1日7回以上です。
1回だけAIに聞いて「自社が出た」「出なかった」と判断すると、たまたまの結果に振り回されます。効果を測るときは、同じ質問を何度も聞き、取り上げられた割合で見ましょう。
Googleの公式見解:生成AI検索への最適化も「SEO」
Googleは2026年5月、検索セントラルに「Google 検索における生成 AI 機能への最適化のための Google ガイド」を公開しました。AIによる概要やAIモードに向けた最適化について、Googleは「SEO であることに変わりはありません」と説明しています。
このガイドは「する必要のないこと」として、llms.txtなどの特別なファイル、コンテンツの細かな分割、生成AI検索向けの書き方、AI専用の特別な構造化データ、作為的な言及集めを挙げています。llms.txtなどのファイルは、Google検索では無視されるとも明記されています。
代わりに勧めているのは、SEOの基本を実践すること、ほかにはない独自の価値を持つ、役立って信頼できるコンテンツを作ること、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを確認することなどです。
この見解は、Google検索の生成AI機能についてのものです。ChatGPTやPerplexityなど、ほかのAIサービスの仕組みを説明したものではありません。また、GEO論文の結果を否定したものでもありません。GEO論文で効果の高かった「出典、統計、引用を添える」書き方は、Googleの勧める「役立つ、信頼できるコンテンツ」とも矛盾しません。
これからLLMO対策を始める5つのステップ
ここまでの研究とGoogleの見解をふまえ、これからLLMO対策を始める人向けに、取り組む順番を5つのステップにまとめました(図4)。
ステップ1:自社がAIにどう答えられているかを調べる
まず、自社の商材に関係する質問を10〜20個決めます。「〇〇とは」「〇〇の選び方」「〇〇 おすすめ」のような、見込み客が実際に聞きそうな質問と、社名や製品名を含む質問の両方を入れましょう。
決めた質問を、ChatGPT、Gemini、Perplexity、GoogleのAIモードなど、見込み客が使っていそうなサービスで聞きます。記録するのは次の4点です。
- 自社の名前が挙がったか
- 自社のどのページが出典として引用されたか
- 代わりにどの競合や、どのサイトが挙がったか
- 自社について誤った説明をしていないか
前の章で紹介したとおり、AIの回答は毎回変わります。同じ質問を日を変えて何度か聞き、結果を表にまとめておくと、後で効果を比べる基準になります。
ステップ2:SEOの基本を整える
検索機能を持つAIの多くは、Webを検索してから回答を作ります。検索エンジンに見つけてもらえないページは、AIの回答にも出てきません。最初に次の点を確認しましょう。
- Search Consoleで、重要なページがインデックスされているか
- robots.txtやWAF、CDNの設定で、AIサービスのクローラーを意図せずブロックしていないか。たとえばOpenAIは、ChatGPTの検索機能向けのクローラー「OAI-SearchBot」をブロックしたサイトはChatGPTの検索の回答に表示されない、と説明している
- Bingにもインデックスされているか。MicrosoftのCopilotなど、Bingの検索結果を使うAIサービスもあるため、Bing Webmaster Toolsでも確認しておく
ページの表示速度や、スマートフォンでの見やすさといった基本的なSEOの項目も、ここでまとめて点検します。
ステップ3:コンテンツに根拠を足す
GEO論文で効果が大きかったのは、引用文、統計、出典といった根拠を足す方法でした。Googleの勧める「役立つ、信頼できるコンテンツ」とも方向は同じです。
- 主張には出典を付け、元の資料にリンクする
- 「多くの企業が」のようなあいまいな表現は、実在する調査の数字に置き換える
- 社内の専門家のコメントや、自社の調査データ、導入実績の数字など、自社にしかない一次情報を入れる
- 古くなった数字や情報を更新し、更新日を明記する
キーワードを不自然に詰め込むのは逆効果です。また、AIで書き足した数字や出典は、公開前に必ず人が元の資料と照らし合わせて確認しましょう。
ステップ4:第三者からの言及を増やす
AI検索は、自社サイトより第三者のメディアを重く見る傾向があります。BtoBであれば、次のような取り組みが考えられます。
- 業界メディアへの寄稿や取材対応
- 比較サイトやレビューサイトへの掲載と、顧客にレビューを書いてもらう依頼
- 顧客と共同での導入事例の公開
- 独自調査のレポートを公開し、プレスリリースで発信する
- セミナーやイベントへの登壇
ただし、自作自演のレビューや、実態のない言及を作る行為は避けましょう。Googleのガイドも、作為的に言及を集めることを「する必要のないこと」に挙げています。
ステップ5:効果を測って見直す
ステップ1で決めた質問への回答を定期的に記録し、Search ConsoleやGA4の数字と合わせて見直します。測り方は次の章で詳しく紹介します。
後回しにしてよいこと
LLMO対策の解説記事でよく勧められている施策の中には、優先度の低いものもあります。
- llms.txtの設置:設置しても害はありませんが、Google検索では無視されます
- AI向けにコンテンツを細かく分割したり、書き直したりすること:Googleは必要ないとしています
- AI専用の構造化データ:Googleは、生成AI機能のために追加する必要がある特別なマークアップはないとしています
- キーワードの詰め込み:GEO論文では逆効果でした
これらに時間を使う前に、まずはステップ1〜5を進めましょう。
LLMO対策の効果を測る方法
LLMO対策の効果は、1つの数字では測れません。次の5つを組み合わせて、月に1回など決まった間隔で記録しましょう。
| 見るもの | 確認する場所 | 見方 |
|---|---|---|
| Googleの生成AI機能での表示回数 | Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート | AIによる概要やAIモードに表示されたページと、その推移を見る。公式ブログが挙げる項目は、表示回数、ページ、国、デバイス、日付 |
| AIサービスからの流入 | GA4の「セッションの参照元」 | chatgpt.com、perplexity.ai、gemini.google.com、copilot.microsoft.comなどからの流入を絞り込む |
| 指名検索の推移 | Search Consoleの検索パフォーマンス | 社名や製品名を含む検索語の表示回数とクリック数を見る |
| AIの回答での言及 | ステップ1で決めた質問の定点観測 | 同じ質問を何度か聞き、自社が挙がった割合で見る |
| 商談への影響 | 問い合わせフォームの「何で知りましたか」 | 選択肢に「ChatGPTなどのAI」を加え、問い合わせや商談との関係を見る |
AIによる概要やAIモードからの流入は、GA4では通常のGoogle検索からの流入と区別しにくい点に注意してください。Googleの生成AI機能での見え方は、Search Consoleのレポートで確認します。
指名検索は、AIの回答で社名を知った人が、後から社名で検索することもあるため、LLMO対策の間接的な指標になります。ただし、広告や展示会など、ほかの施策の影響も受ける点に注意が必要です。
指名検索の推移は、toviraのcoreAnalyticsでも確認できます。指名検索比率や、課題起点で検索されるキーワードの流入数、CTR、表示順位をダッシュボードで追えます。
根拠のある記事を、続けて出していくために
ここまで見てきたとおり、LLMO対策の中心にあるのは、SEOの基本を押さえ、出典や数字で裏づけた記事を出し続けることです。ただ、記事を増やすほど、出典や数字を確かめる手間も増えていきます。
Content Studioは、BtoB向けのSEO記事を最大20記事まで同時に作成できるツールです。トピッククラスターの設計、構成案と本文の作成、メタデータの生成までを1つのツールで進められます。
LLMO対策の観点では、次の機能が役立ちます。
- アップロードした資料からテキストを取り出し、自社の一次情報として記事に反映する
- 本文の作成工程で、Web検索による裏取りと自動修正を行うファクトチェック(強度に応じて最大1〜3回)
- 本文中のURLに実際にアクセスし、たどり着けないリンクを取り除く
- ピラー記事とクラスター記事の内部リンクを自動で設計する
※2026年10月時点の機能ページの記載に基づきます。
ツールで裏取りを済ませても、公開前の最終確認は人が行いましょう。Content Studioは、その確認にかかる時間を減らし、根拠のある記事を続けて出すための道具です。
根拠のある記事を、無理なく増やしたい方へ
Content Studioの機能や記事制作の流れを、機能ページで紹介しています。
よくある質問
LLMO対策とSEO対策は何が違いますか?
SEOは検索結果での順位やクリックを、LLMO対策はAIの回答の中での引用や言及を目指す取り組みです。ただし、検索機能を持つAIの多くは、Webを検索してから回答を作ります。Googleも、生成AI検索への最適化は「SEO であることに変わりはありません」と説明しています。LLMO対策は、SEOの延長として取り組むのが現実的です。
llms.txtは設置したほうがいいですか?
急いで設置する必要はありません。Googleは、llms.txtのような特別なファイルはGoogle検索では無視されると明記しています。設置しても害はありませんが、まずはインデックスの確認やコンテンツの改善など、ほかの施策を優先しましょう。
構造化データはLLMO対策に必要ですか?
Googleは、生成AI機能のために追加する必要がある特別なschema.orgマークアップはないとしています。一方で、検索結果のリッチリザルトに使われる通常の構造化データは、引き続きGoogleのガイドラインに沿って使えます。構造化データは、SEOの一環として必要なものを実装すれば十分です。
LLMO対策の費用相場はどのくらいですか?
外部に依頼する場合の費用は、現状の診断だけか、コンテンツ制作やPRまで含むかによって大きく変わります。比較できる公的な統計も少ないため、複数の会社から、支援の範囲と成果の測り方を確認したうえで見積もりを取りましょう。社内で始めるなら、この記事のステップ1〜5は、既存のSEOやコンテンツ制作の延長で取り組めます。
LLMO対策の効果はどのくらいで出ますか?
決まった期間はありません。AIサービスごとに検索の仕組みや更新の頻度が違い、回答も日々変わるためです。月に1回など間隔を決めて定点観測を続け、数か月単位で傾向を見ましょう。
小規模な会社でもLLMO対策に取り組む意味はありますか?
あります。GEO論文では、検索5位のページのほうが1位より大きく伸びる結果が出ました。ただし、これは検索上位5件に入っていることが前提です。まずはSEOで検索に見つけてもらえる状態を作り、そのうえで根拠のある記事と第三者からの言及を積み上げていきましょう。
まとめ
- LLMO対策は、ChatGPTやAIによる概要などの回答の中で、自社の情報を引用・言及してもらうための取り組み
- GEO論文(KDD 2024)では、引用文、統計、出典を足す書き換えで、回答の中での露出が最大41%伸びた。キーワードの詰め込みは逆効果だった
- 「40%」は回答の中での存在感の伸びであり、引用される確率や流入、売上の伸びではない。対象は検索上位5件に入っているページで、実験は2023年の模擬エンジン
- その後の再検証では、決まった型の書き換えの効果は限られ、AIは第三者のメディアを重く見ることがわかってきた
- Googleは、生成AI検索への最適化も「SEO であることに変わりはありません」と説明し、llms.txtやAI向けの書き直しは不要としている
- 始めるなら、現状の把握、SEOの基本、根拠の追加、第三者からの言及、効果測定の順に進め、AIの回答は複数回測って割合で見る
LLMO対策に特別な裏技はありません。検索に見つけてもらえる状態を整え、出典と数字で裏づけた記事を出し続け、自社以外の場所でも語られる存在になること。遠回りに見えても、これがいちばん確実な方法です。
参考資料
- Pranjal Aggarwal ほか「GEO: Generative Engine Optimization」(arXiv v3、2024年6月。KDD 2024採択)
- Haritz Puerto ほか「C-SEO Bench: Does Conversational SEO Work?」(arXiv、2025年6月。NeurIPS 2025 Datasets and Benchmarks Track採択)
- Mahe Chen ほか「Generative Engine Optimization: How to Dominate AI Search」(arXiv、2025年9月)
- Puneet S. Bagga ほか「E-GEO: A Testbed for Generative Engine Optimization in E-Commerce」(arXiv v2、2026年7月)
- Yujiang Wu ほか「What Generative Search Engines Like and How to Optimize Web Content Cooperatively」(AutoGEO、ICLR 2026)
- Julius Schulte ほか「Don't Measure Once: Measuring Visibility in AI Search (GEO)」(arXiv、2026年4月)
- Olivier Martinez「Optimizing Visibility in Generative Engines: A Critical Survey of Generative Engine Optimization (2023-2026)」(arXiv、2026年7月)
- Google 検索セントラル「Google 検索における生成 AI 機能への最適化のための Google ガイド」
- Google 検索セントラル ブログ「Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入」(2026年6月3日)
- Search Engine Journal「Google's New AI Search Guide Calls AEO And GEO 'Still SEO'」(2026年5月15日)
- OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」
中川 晃次
再生ファンド傘下の複数企業にて、マーケティングディレクターとして事業再生を牽引。戦略立案から実行まで一貫して手がけ、ECサイトにおいては売上前年比150%成長を5年連続で達成した実績を持つ。現在はマーケティングSaaS「tovira」の開発に加え、BtoB領域のマーケティングコンサルティングを通じて、企業の持続的な成長を支援している。
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