LLMOの時代はサービスページ・製品ページを強化しよう|AIに推薦されるための3つの考え方

    LLMO対策というと、ブログ記事を増やす、記事にFAQを足す、といった施策が先に挙がりがちです。けれども、BtoBの買い手がAIに「A社とB社、従業員300人の製造業にはどちらが合う?」と聞いたとき、AIが答えの出典として示すのは、ブログ記事よりもサービスページや製品ページであることが多いと分かってきました。

    AIに推薦されるかどうかは、記事の本数よりも、自社が何者で、誰に、何を、いくらで提供しているかが、自社サイトにどれだけ確かに書かれているかで決まります。この記事では、施策の手順よりも、その前提になる考え方を3つにまとめました。BtoB企業のマーケティング責任者やWebサイトの担当者が、LLMO対策の優先順位を社内で話し合うときに役立ててください。

    先に結論をまとめておきます。

    • ウェブサイトは、LLMがあなたを推薦するためのエビデンスである。AIは、読めたことしか推薦の理由にできない
    • LLMは、選定や比較の質問ではブログ記事よりもサービスページ・製品ページを多く引用している。製品ページは、自社について最も確かな一次情報の置き場所だからだ
    • LLMOで推薦されるポイントは、観察して確かめる。AIが自社をどう説明しているかは、市場から見た自社の姿を映している

    この記事でわかること

    • AIに推薦されることを「エビデンスを置く」ことと捉える考え方
    • AIが製品ページを多く引用する理由と、ブログ記事・社外の評判との役割分担
    • 推薦のされ方を観察するときに見るべきポイント

    ウェブサイトは、LLMがあなたを推薦するためのエビデンス

    AIは「読めたこと」しか推薦の理由にできない

    ChatGPTの検索機能、GoogleのAIによる概要やAIモード、Perplexityなどは、最新の情報や具体的な製品について聞かれると、多くの場合Webを検索し、見つけたページを読んでから答えます。Googleも「AI 機能とウェブサイト」で、AIによる概要やAIモードは関連する複数の検索を行い、回答を裏づけるページを探すと説明しています。

    ここから分かるのは、AIは推薦文を代わりに書いてくれる存在だということです。そしてAIが書けるのは、どこかのページで読めたことだけです。「この製品は中堅の製造業に向いています。SAPと連携でき、月額10万円から使えます」とAIが書けるのは、その事実がどこかに書かれているからです。書かれていなければ、AIは推測で補うか、別の会社を挙げます。

    「印象を与える」ページから「証拠を置く」ページへ

    これまでの製品ページは、人に読まれることを前提にしていました。「あらゆる企業の業務をスマートに」「次世代のプラットフォーム」といった言葉で印象を残し、詳しいことは問い合わせの後に営業が説明する、という分担です。

    AIにとって、こうした言葉は推薦の根拠になりません。AIが買い手に説明できるのは、対象企業、解決する課題、できること・できないこと、料金、連携先、認証といった、確かめられる事実です。製品ページの役割は、印象を与えることから、AIと買い手が確かめられる証拠を置くことへと移っています。

    AIが推薦文をつくるまで AIは2種類の材料を読んで推薦文をつくる。1つは自社の製品ページで、誰のためか、何ができるか、いくらか、何とつながるかという自己紹介。もう1つは社外の評判で、レビューサイト、比較記事、メディアでの言及が「それは本当か」を裏づける。AIはこれらを読んで「〇〇な企業には△△が向いている。理由は…」という推薦文を書く。読めなかったことは推薦の理由にならない。 自社の製品ページ 自己紹介:何者か 誰のためか・何ができるか いくらか・何とつながるか 社外の評判 裏づけ:それは本当か レビューサイト・比較記事 メディアでの言及 AIの推薦文 「〇〇な企業には △△が向いている。理由は…」 読めなかったことは、推薦の理由にならない
    AIは自己紹介と評判を読んで、推薦文を書く

    買い手も、AIの答えを公式の情報で確かめている

    これはAIのためだけの話ではありません。HubSpot Japanの「日本のBtoB購買に関する意識・実態調査2026」では、生成AIやAI検索を使う1,155人の用途の1位が「候補となる商品・サービスの洗い出し」(50.3%)でした。一方で、信頼できる情報の1位は「価格・追加費用・契約条件が明瞭な情報」(60.6%)で、「生成AI・AI検索がまとめた情報」(37.8%)は10項目の中で最も低くなっていました。

    買い手はAIで候補を挙げ、稟議や社内説明の前に公式の情報で確かめます。AIが読む証拠と、買い手が確かめる証拠は、同じ製品ページです。

    LLMはブログよりもサービス・製品ページを重視している

    選定の質問では、製品ページが多く引用されている

    AIの回答に引用されたページを種類ごとに数えた調査がいくつか出ています。

    調査(発表元の立場) 主な結果 対象 時期
    Ten Speed(BtoBのマーケティング支援会社) 評価段階の質問で、製品ページが24.1%で最多。記事17.4%、比較ページ13.3% BtoBのSaaS・専門サービスに関する引用7,387件 2026年9月更新
    Profound・Growth Unhinged(AI可視化ツールの会社と、SaaSの価格戦略のニュースレター) 料金についての回答の46%に、その会社の料金ページが引用された 主要なクラウド企業100社の料金についての回答7,675件 2026年7〜8月
    XFunnel(AI検索の分析ツールの会社) 引用の46〜70%が製品関連のコンテンツで、ブログは3〜6% ChatGPT、AIによる概要、Perplexityの引用76.8万件 2025年4月の報道
    Wix Studio AI Search Lab(Webサイト制作サービスの研究部門) 「おすすめ」など候補を探す質問ではまとめ記事40.86%、製品ページ7.14%。取引目的の質問では製品ページが24.88%で最多 引用約106万件 2026年3月公開

    ※調査ごとにページの分け方や質問の選び方が違い、発表元の多くはAI可視化ツールや支援サービスを売る会社です。どれも英語圏の調査で、数字は「どのページが出典として示されたか」の割合であり、推薦や商談の数ではありません。

    調査ごとに数字はばらつきますが、比較、料金、条件など、選ぶための質問では製品ページや料金ページが多く引用され、自社のブログ記事の割合は小さい、という傾向は共通しています。

    質問の種類と、AIが根拠にするページ 1 用語やノウハウを聞く質問では、解説記事やブログが使われるが、AIの要約で答えが済みやすい。2 「おすすめは?」と候補を探す質問では、第三者のまとめ記事や比較サイトが強く、その元になるのは各社の公式情報。3 比較・料金・条件で選ぶ質問では、自社の製品ページ・料金ページが根拠になる。選定が進んだ質問では製品ページが多く引用される。 買い手の質問 AIが根拠にするページ 1 用語・ノウハウを聞く 「〇〇とは」「〇〇のやり方」 解説記事・ブログ AIの要約で答えが済みやすい 2 候補を探す 「おすすめの〇〇は?」 第三者のまとめ記事・比較サイト その元になるのは各社の公式情報 3 比較・料金・条件で選ぶ 「A社とB社の違い」「月額は?」 自社の製品ページ・料金ページ 選定が進んだ質問で多く引用される ※各社の調査の傾向をもとにした整理です
    選定が進んだ質問では、自社の製品ページが根拠になる

    なぜ製品ページなのか:事実の置き場所だから

    理由は、AIが答えようとしている質問の性質にあります。「SAPと連携できて、ISMS認証を持つ生産管理システムは?」という質問の答えは、意見や解説ではなく事実です。その会社について事実を最も確かに書いている場所は、その会社の製品ページです。

    ブログ記事は、業界の動向や考え方を語るのに向いています。けれども、「この製品は誰に向いていて、いくらで、何とつながるか」という問いに答えるようには書かれていません。AIが選ぶための質問に答えようとすれば、製品ページを読みにいくのは自然なことです。

    言い換えれば、製品ページは自社についての一次情報の原本です。外部の記事も、比較サイトも、AIも、最後はこの原本を参照します。原本が曖昧なら、そこから書き写された情報もすべて曖昧になります。

    自己紹介は製品ページで、評判は社外で

    ただし、製品ページさえ整えればよいわけではありません。Wix Studio AI Search Labの調査のとおり、「おすすめは?」と候補を探す質問では、比較サイトやメディアなど第三者が書いたまとめ記事が多く引用されます。Ahrefsが7万5,000のブランドを調べた分析でも、AIによる概要への表示と最も強く相関していたのは、他のサイトでの社名の言及でした。

    AIは、自己紹介と評判を分けて見ていると考えると分かりやすくなります。製品ページは「自社は何者か」を伝える自己紹介で、社外での言及やレビューは「それは本当か」を裏づける評判です。候補に入るには評判が、候補に入った後に選ばれるには自己紹介が効きます。そして評判の多くも、自己紹介をもとに書かれます。社外での露出の増やし方は「BtoB企業のためのAIO・AEO対策外部施策完全ガイド」をご覧ください。

    ブログ記事の役割は「原本を補う」ことに変わる

    ブログ記事が不要になるわけではありません。用語解説や一般的なノウハウの記事はAIの要約で答えが済んでしまいますが(詳しくは「ゼロクリック検索が68%に|BtoB企業がやめる記事、伸ばす7つのコンテンツ」)、自社にしかない一次情報や現場の知見は、引用や社外での言及のきっかけになります。

    これからのブログ記事は、製品ページという原本を補う資料として位置づけ直します。記事で示した結論や数字は製品ページにも載せ、AIが自社について読みにくる場所に、要点がそろっている状態をつくります。

    LLMOで推薦されるポイントを観察しよう

    順位ではなく「どう語られているか」を見る

    検索順位は、1つの数字で測れました。AIの回答には、順位がありません。代わりに見るべきなのは、自社がどう語られているかです。AIの回答への出方には、出典としてリンクが示される「引用」、社名が出る「言及」、理由つきで勧められる「推薦」の段階があります(詳しくは「LLMO対策で何が効くのか?」)。

    なかでも大事なのは、推薦の理由です。AIが自社を「中小企業向けで安い」と説明しているのか、「大企業向けでセキュリティに強い」と説明しているのか。その説明が、自社が伝えたい強みと合っているかを見ます。

    AIの説明は、市場から見た自社の姿を映している

    AIが語る自社の姿は、自社サイトと社外の情報からAIが読み取ったものです。いわば、市場に出回っている自社の情報を集めて映した鏡です。

    伝えたい強みが推薦の理由に出てこないなら、その強みは製品ページに事実として書かれていないか、社外で語られていないということです。古い料金や終了した機能が語られているなら、原本の更新が追いついていないか、古い外部の情報が残っているということです。AIの説明のずれは、自社の情報発信のずれをそのまま示しています。

    観察の目的は、AIに好かれるテクニックを探すことではありません。自社がどう理解されているかを知り、原本である製品ページを直すことです。

    揺らぎを前提に、傾向で見る

    AIの回答は、聞くたびに変わります。ログインの有無や過去の会話によっても変わります。1回の回答で一喜一憂せず、買い手が実際に聞きそうな質問を決めて、同じ質問を定期的に聞き、言及されたか、どんな理由で推薦されたか、どのページが引用されたか、誤りはないかを記録して、傾向を見ます。

    質問を決めるときは、営業に聞くのが近道です。商談で聞かれる質問や、競合と比べられるときの言い方は、買い手がAIに聞く質問とほぼ同じだからです。Search Consoleの「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」やBing Webmaster Toolsの「AI Performance」を使えば、どのページがAIの回答に表示・引用されたかも確かめられます。

    製品ページを強化するときの3つの視点

    3つの考え方を踏まえると、製品ページを強化するときの視点は次の3つにまとまります。

    誰のためのものかを、できないことまで含めて書く

    「あらゆる企業に」と書けば、AIはどの企業にも推薦できません。「従業員100〜1,000人の製造業の生産管理部門」と書いて初めて、AIは条件に合う質問で自社を挙げられます。向いていない企業やできないことを書くのは損に見えますが、比較の質問に答える材料になり、合わない企業との商談も減らします。

    営業が商談で話していることを、事実と数字で書く

    料金、連携先、導入期間、認証、事例の成果。営業が商談で毎回説明していることは、買い手がAIに聞くことでもあります。個別見積もりの製品でも、価格帯の目安や最小ロットなど、公開できる範囲を検討する価値があります。製造業なら、対応材質、規格、最小ロット、納期がこれにあたります。

    たとえば「あらゆる企業の業務をスマートに。次世代の業務効率化プラットフォームです」という説明を、「従業員100〜1,000人の製造業向けの生産管理システムです。Excelで管理している工程表をクラウドで共有し、SAPと連携できます。月額10万円からです」と書き換えるだけで、AIが推薦の理由に使える事実が5つ増えます。

    AIが読める形で置く

    料金表や仕様表が画像やPDFだけでは、AIは読めません。HTMLのテキストで書き、AIの検索用のクローラーをrobots.txtやWAFの設定で止めていないかを確かめます。Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために構造化データや特別なファイルは不要としています(AI向けの最適化ガイド)。技術的な工夫より先に、まず本文に事実を書きましょう。

    製品ページは、事業部や製品マーケティングの担当が持っていることが多く、マーケティング部門だけでは書き換えられません。LLMO対策を、ブログ担当の仕事から、製品の事実を持つ部署と一緒に進める仕事へと捉え直すことが、最初の一歩になります。

    AIで調べてから製品ページを訪れる企業をつかむ

    AIで候補を絞った買い手は、確かめるために製品ページや料金ページを訪れます。流入の数が少なくても、検討が進んだ企業が来ている可能性があります。

    toviraのcoreAnalyticsは、サイトを訪れた企業を特定するBtoB向けのアクセス解析ツールです。訪問企業ごとに、どのページをどの順番で見たかをタイムラインで追え、製品ページや料金ページを見た企業を見つけられます。製品ページを直したあと、どんな企業が見に来るようになったかを確かめるのにも使えます。

    製品ページという原本を補う記事を、現場の担当者、情シス、決裁者の切り口でそろえるなら、1つの検討テーマを最大20本の記事群として制作するContent Studioが使えます。

    ※2026年10月時点の各機能ページの記載に基づきます。

    製品ページを見に来た企業を知りたい方へ

    coreAnalyticsでできることは機能ページで紹介しています。

    coreAnalyticsの機能を見る

    よくある質問

    LLMO対策では、ブログ記事をやめて製品ページだけに力を入れればいいですか?

    やめる必要はありません。選定の質問で多く引用されるのは製品ページですが、一次情報を出すブログ記事は、引用や社外での言及のきっかけになります。ブログ記事は製品ページを補う資料と位置づけ、記事で示した結論と数字は製品ページにも載せましょう。

    料金を公開していないと、AIに推薦されにくくなりますか?

    料金を聞く質問では不利になりやすいと考えられます。料金が載っていなければ、AIは「非公開」と答えるか、外部の古い情報で答えます。すべてを公開できなくても、価格帯の目安など、公開できる範囲を検討しましょう。

    AIに自社がどう推薦されているかは、どのくらいの頻度で確かめればいいですか?

    月に1回が目安です。AIの回答は聞くたびに変わるため、同じ質問を複数回聞き、数か月の傾向で判断します。

    まとめ

    • ウェブサイトは、LLMがあなたを推薦するためのエビデンスである。AIは読めたことしか推薦の理由にできないので、製品ページの役割は印象を与えることから証拠を置くことへ移っている
    • LLMは、選定や比較の質問ではブログ記事よりもサービス・製品ページを多く引用している。製品ページは自社についての一次情報の原本で、社外の評判とあわせてAIの推薦の材料になる
    • LLMOで推薦されるポイントは、観察して確かめる。AIの説明は市場から見た自社の姿を映しており、そのずれが製品ページで直すべき点を教えてくれる

    coreAnalyticsの機能を見る

    参考資料

    編集者:

    中川 晃次

    再生ファンド傘下の複数企業にて、マーケティングディレクターとして事業再生を牽引。戦略立案から実行まで一貫して手がけ、ECサイトにおいては売上前年比150%成長を5年連続で達成した実績を持つ。現在はマーケティングSaaS「tovira」の開発に加え、BtoB領域のマーケティングコンサルティングを通じて、企業の持続的な成長を支援している。

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